自宅にある人形を手放す際、その処分方法に迷われる方が多いでしょう。「そのまま捨てるのは抵抗がある」「人形ときちんとした形でお別れをしたい」という方は、人形供養を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、人形供養が行なわれる理由や持ち込みできる人形の種類、依頼するタイミングや依頼先などについて解説します。自分で人形供養を行なう際のやり方も説明しますので、ぜひ参考にしてください。
人形供養とは、役目を終えた人形やぬいぐるみなどの供養を行ない、焚き上げて焼却処分をすることです。神社や寺院では、古くから「お焚き上げ」という儀式が執り行なわれています。
日本では昔から、「万物に魂が宿る」という考えが存在しました。物には感情がないとはいえ、人や動物の形をした人形やぬいぐるみの場合、長年一緒に過ごすうちに情が移るものです。
人形を捨てようとしても、魂が宿っているような気がして、何となく捨てられない方が多いでしょう。そのようなときに、人形供養という儀式を通すことで、人形を処分する際の後ろめたさが軽減されます。一般的なゴミと同じ方法で捨てるのではなく、神社や寺院で供養をしてもらうことで、人形への感謝の気持ちを込めることができるでしょう。
持ち込み可能な人形の種類としては、以下のようなものがあります。
上記に挙げた人形に限らず、基本的にはどのような種類の人形でも対応してもらえます。ただし、焼却処分ができない素材のもの(金属製の装飾、ガラスケースなど)は、対応不可となることもあります。気になる場合は、神社や寺院に持ち込みをする前に、念のため確認しておきましょう。
人形供養を依頼するのは、その人形を手放そうと思ったとき、その方が希望するタイミングでかまいません。一般的には、以下のようなタイミングで依頼する方が多いでしょう。
小さい頃によく遊んでいた人形も、子どもの成長にともない、登場する機会が少なくなります。すべての人形をそのまま保管し続けるわけにはいかず、環境の変化に合わせて手放す場合が多いでしょう。
例えば学校を卒業したとき、成人したとき、一人暮らしを始めるとき、社会人になったときに、人形供養が行なわれます。子どものときに遊んだ人形とのお別れをすることで、気持ちが引き締まり、進学や就職などの次のステップに進むことができるでしょう。
たとえ人形を捨てたくないと思っていても、自宅に保管できる物の量には限界があります。このため、引越しの荷造りの際に、人形の整理を同時に行なう方も多いです。
引越しのタイミングに合わせて人形供養をすれば、新居に人形を運ぶ必要がなくなります。一つひとつ人形を梱包する手間もなくなるため、人形供養を依頼する良いタイミングといえるでしょう。
「自分で買ったものは捨てられても、誰かからいただいたものは捨てられない」という方は少なくありません。例えば結婚式でもらったペアのぬいぐるみ、誕生日に贈られたものなどが当てはまります。
いただいた人形を手放す際も、人形供養に依頼すれば、捨てる際の精神的な負担が少なくなるでしょう。
亡くなった方が大切にしていた人形は、その方の想いが残っているような気がして、簡単には捨てにくいものです。しかし処分できないまま決断を先送りにすると、「あの人形はどうやって捨てよう」という懸念が消えず、精神的な負担が続いてしまいます。
故人の思い出が詰まった人形だからこそ、ゴミとしてではなく、きちんとした形で供養を行ないたいものです。そうすることで、残された側も心の整理ができるでしょう。
続いては、人形供養をどこに頼めば良いのか、候補となる依頼先について解説します。
日本全国の神社や寺院で、人形供養の儀式が行なわれています。ただし、すべての神社や寺院で対応してもらえるわけではないため、事前にWebサイトなどで確認しておくとよいでしょう。
お焚き上げが行なわれる頻度は、雛祭りに合わせて年に一度、または月1回など、神社や寺院ごとに異なります。お焚き上げの立ち会いをしたい場合は、その点も含めて情報収集が必要です。
人形供養を依頼する際は、お焚き上げの費用や受付可能な日時・曜日などを確認しましょう。直接の持ち込み以外に、郵送対応のできる神社・寺院もあります。近くに人形供養を依頼できる神社・寺院がない場合は、インターネット上で探してみるのがおすすめです。
葬儀社のなかには、人形供養に対応しているところもあります。お世話になった葬儀社がある場合、近くに施設がある場合は、サービス内容を確認してみてください。葬儀社の会員になることで、無料で対応してもらえる場合もあります。
葬儀社に依頼する際は、供養の流れについても調べておきたいところです。葬儀社に依頼する場合、ホールで僧侶が読経や焼香を行ないますが、その後の流れが異なる場合があります。
読経後に人形をそのまま処分するケース、提携している神社や寺院にお焚き上げまで任せるケースなど、さまざまなやり方があるため、お焚き上げを希望する方は注意しましょう。
インターネット上で人形供養の専門業者を探し、人形を郵送して供養してもらうことも可能です。郵送された人形は、提携している神社や寺院によって供養されます。
なお人形については、他人への寄付、譲渡の対象になるケースもあります。専門業者に依頼する場合には、直接寺院や神社に依頼する場合と異なり、お焚き上げへの立ち会いができません。そのため、思い入れのある人形を手放す際は、よく考えてから依頼するようにしましょう。
ここからは、人形供養を依頼する際のよくある疑問についてまとめています。
人形供養を実施している神社や寺院のなかには、お焚き上げの立ち会い不可のところもあります。立ち会いを希望する方は、依頼する前に確認しておきましょう。なお、立ち会いができない代わりに、お焚き上げの様子を動画で確認できるようにしている神社・寺院もあります。
人形供養という名前ではありますが、人形以外の物でも供養を行なってもらえる場合があります。具体的には、以下のような物が対象となります。
供養してもらえる物の範囲は、依頼先によって変わります。心情的に処分しづらい物があるなら、神社や寺院に問い合わせてみるとよいでしょう。
自分で人形供養を行なって、ゴミとして手放すのも一つの方法です。人形供養の依頼先が見つからない場合、手放す人形の数が少ない場合は、自宅での供養も検討してみてください。
ただし、神社や寺院で行なわれているお焚き上げを個人で行なうのは、法律・条例違反となる可能性があるため、実際に行なうのは難しいでしょう。
人形供養を自分で行なう場合、以下のような流れで供養を行ないます。
個人で供養を行なう場合は、お焚き上げまでは行ないません。しかし上記のような手順を踏み、人形と向き合いながらお別れを伝えることで、手放す際の心の負担を減らせるでしょう。
人形を手放す方法として、人形供養以外にも以下の方法があります。
必ず値段が付くわけではありませんが、各地に店舗があるため、気軽に依頼できます。
アンティーク的な価値があるもの、一部のファンから人気があるものは、オークションやフリマアプリで高値が付く可能性があります。
供養サービスを用意している業者もあるので、大掃除や引越しの機会にまとめて依頼するのもよいでしょう。
施設に寄付をする場合は、施設ごとの募集内容を確認してから送るようにしてください。
その人形への想いがあるほど、手放す際の気持ちの負担は大きくなるでしょう。特に亡くなった方が大切にしていた人形、誰かからいただいた人形の場合、持ち主や贈ってくれた方の想いを無下にするような気がして、捨てるのをためらってしまう方が多いかもしれません。
しかし、身近に置いておける物の数に限界がある以上、いずれは人形を処分しなくてはならない機会が訪れます。そのようなときには、人形供養をぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
たとえ人形が物体として残っていなくても、その人形にまつわる大切な思い出は胸に残ります。心からの感謝の気持ちを込めて、人形とのお別れの機会を作ることが大切です。
人形供養を行なうのも行なわないのも、個人の自由です。しかし、愛着のある人形との別れを惜しみ、捨てる決断ができない方は多くいらっしゃいます。
人形をゴミとして捨てられないなら、人形供養のサービスをぜひご検討ください。神社や寺院に直接確認するか、インターネットの検索機能で対応してもらえる葬儀社、専門業者を探してみましょう。
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