
お墓を建てる際には、どの石材店に依頼するかが重要です。しかし、「複数の石材店に相談したい」「墓地を見学してから石材店を決めよう」と思っていても、自由に選べない場合があることをご存知でしょうか。
お墓探しをする際は、事前に霊園・墓地と石材店の関わりについて知っておきましょう。本記事では、「指定石材店」の仕組みや石材店の種類、信頼できる石材店の選び方などを紹介します。
■霊園・墓地には、指定石材店があるケースが多い
多くの霊園・墓地では、石材店があらかじめ指定されています。特に民間霊園・寺院墓地については、石材店の指定があるケースが大半です。
霊園を造成し、安定的な運営を続けるためには、多くの資金が必要となります。そのため、石材店と協力関係を結んで資金援助を受け、代わりに墓石の購入希望者が来た際には、指定石材店への依頼を必須とするわけです。
寺院墓地の場合も、石材店があらかじめ決まっているケースがほとんどです。ただし、ほかの石材店に依頼できる場合もあるので、希望の石材店がある方は、念のため寺院に確認してみるとよいでしょう。複数の指定石材店がある場合でも、自動的に石材店の割り当てが行なわれる場合があるので注意が必要です。
なお、自治体が管理する公営墓地の場合は、石材店の制限がありません。そのため、複数の石材店から見積もりをとったあと、比較検討したうえで石材店を決めることが可能です。
■石材店の種類
石材店は、おもに以下の3種類に大別できます。
ここでは、それぞれの石材店の特徴について解説します。
◇石材店の種類(1)大手石材店
複数の店舗を持ち、多くの従業員数を抱える大手石材店は、経営が安定している場合が多いため、依頼する側としても安心感があります。
ただし、社内ルールが細かく決められている傾向があり、臨機応変な対応をしてもらえないケースもあります。
【大手石材店がおすすめな方】
- ネームバリューのある石材店に依頼したい方
- 販売実績、クチコミを参考にして決めたい方
◇石材店の種類(2)地域密着型の石材店
各地域に根差した、規模の小さい石材店もあります。家族経営のところが多く、特定の墓地に対応しているケースが一般的でしょう。
顧客数が大手よりも少ない分、一人ひとりの要望に細かく応えてもらえる場合があります。石材の加工やデザインなど、細かな注文にも柔軟に対応してもらえることも多いでしょう。
ただし、地域密着型の石材店は、インターネット上で豊富なクチコミを見つけられない場合がほとんどで、大手石材店に比べると問い合わせのハードルは高めです。また、大手と比べると倒産のリスクも高いため、その点にも注意が必要でしょう。
【地域密着型の石材店がおすすめな方】
- 墓石の加工やデザインにこだわりたい方
- 要望に合わせて細やかに対応してもらいたい方
◇石材店の種類(3)ネット通販型の石材店
インターネット上で墓石のデザイン、石材の種類を決めて注文するネット通販型の石材店は、価格がわかりやすい点が魅力です。また対面型の石材店と比べると、費用を安く抑えやすい傾向にあります。
ただし、ネット通販という性質上、墓石に何らかのトラブルが起きた際に、すぐに対応してもらえない可能性もあります。
【ネット通販型の石材店がおすすめな方】
- Webカタログを見ながらデザインをゆっくり決めたい方
- 墓石代をできるだけ安くしたい方
■石材店の選び方|6つのポイントを解説
信頼できる優良な石材店を選ぶためには、以下の6つのチェックポイントを押さえておきましょう。
- 石材店の場所
- 担当者の対応
- 石材の説明
- 見積書・契約書の有無
- 値引きの根拠
- アフターサービス
◇石材店選びのポイント(1)石材店の場所
石材店を探す際は、まずは自宅か墓地付近の石材店をピックアップしてみましょう。自宅から近い石材店なら、困ったときに店舗に寄って気軽に相談できます。また、墓地と石材店が近い場所にあれば、トラブルが起きた際にすぐに対処してもらえるでしょう。
◇石材店選びのポイント(2)担当者の対応
石材店に相談した際は、担当者の姿勢をよく確認しましょう。ポイントとなるのは、以下のような点です。
- こちらの話を丁寧に聞いてくれるか
- 予算や希望に合った提案をしてもらえるか
- こちらの質問に明確に答えてもらえるか
- 難しい言葉を多用していないか
- 特定の石材を一方的に紹介していないか
- 契約を急がせないか
墓石は多くの方にとって、金額の大きい買い物です。担当者に不明点をすべて確認したうえで、納得感を持って購入を決める必要があります。契約前の段階で「話を聞いてもらえない」「担当者と相性が悪い気がする」と感じたなら、いったん別の石材店にも相談してみることをおすすめします。
◇石材店選びのポイント(3)石材の説明
石材店を選ぶ際は、石材に関する知識を納得できるまで教えてくれるところを選びましょう。
専門用語をできるだけ使わず、わかりやすい言葉で丁寧に説明してもらえるかが重要です。また、説明がわかりにくいと感じたときに納得できるまで説明してもらえるか、迷ったときに専門家の視点からアドバイスをもらえるか、といった点もチェックしましょう。
なお、複数の石材を紹介されたとき、それぞれの価格の違いが気になるかもしれません。「見た目が同じなら、安い墓石にしたい」と考える方もいらっしゃいますが、石材としての品質が低い、外国産であるなど、その安さには何らかの理由があります。
石材に詳しくない方からすれば、見た目だけでは価格差の理由はわからないものです。安さの理由も含めて説明してくれる石材店、要望を聞いたうえでおすすめの石材を教えてくれる石材店が、信頼できる石材店といえるでしょう。
◇石材店選びのポイント(4)見積書・契約書の有無
墓石の見積もりを出してもらう際、契約をする際に、見積書・契約書を書面として出してもらえるかがポイントです。石材店によっては口頭で説明しただけで、そのまま契約・工事へと進んでしまう場合があります。
見積書・契約書が書面として残っていない場合、トラブルが起きた際の対処が難しくなるでしょう。トラブル例として、「使われている石材の種類が違っていた」「最初の説明よりも高い金額を請求された」などがあります。
書面を提示された際も、価格や石の種類について詳細に書かれているかを確認しましょう。気になる点があれば遠慮なく質問し、不明点をすべてなくしてから本契約をしてください。
◇石材店選びのポイント(5)値引きの根拠
価格交渉の際に、大幅な値引きをされた際は注意しましょう。簡単に値引きされた場合は、そもそも最初から割高な価格設定がなされていた可能性があります。他社の価格を知らせたあとに、あっさりと値引きされた場合も注意が必要です。
価格が極端に安くなった場合は、値引きの理由をよく確認しましょう。大幅な値引きをされた結果、低品質な石材を使われたり、適当な工事で済まされたりする場合があります。
複数の石材店に見積もりを依頼し、石材についての説明を聞いていくことで、その値引きが適切であるのか、信頼できる店であるのか判別しやすくなります。
◇石材店選びのポイント(6)アフターサービス
石材店との付き合いは、お墓を購入したあとも長く続いていくものです。アフターサービスの有無、保証内容について、契約前に詳細を確認しておきましょう。信頼できる石材店であれば、それらの質問にもきちんと答えてくれます。
アフターサービス・保証に関しては、保証書を作成してもらうと安心です。先祖代々で受け継いでいく予定であるなら、なおさら書面として残しておきましょう。
■石材店を決める前に確認すべきこと
霊園・墓地の現地見学をする際、石材店に相談する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
◇現地見学の前に、指定石材店を確認する
現地見学の際に石材店のチラシを持参したり、予約をせずに現地見学に行ったりした場合、自動的に担当の石材店が割り当てられてしまう場合があります。自分では石材店を決めたつもりがなくても、ほかの石材店に変えられなくなるため注意が必要です。石材店が決まると、その後の見積もりや施工などはすべて、その石材店が担当することになります。
石材店を選びたい方は、気になる霊園・墓地の現地見学をする前に、指定石材店がどこなのかを確認しておきましょう。「この石材店にお願いしたい」と思ったなら、その石材店のチラシを持ち込む、または石材店の名前で予約を取るようにしてください。
◇複数の石材店に見積もりを依頼する
公営墓地の場合は、石材店の指定がないため相見積もりが可能です。その他の霊園・墓地でも相見積もりができるケースもあるので、念のため確認しておきましょう。
このとき、費用の安さだけで石材店を決めるのではなく、担当者の対応やサービス内容などを含めて、総合的に判断することが重要です。
■まとめ
事前のリサーチをせずに霊園・墓地に出向くと、知らない間に担当の石材店が決まってしまう場合があります。あとから変更したくても、一度決まってしまうと基本的には動かせません。「墓石のデザインにこだわりたい」「優良な石材店を自分で探したい」という方はご注意ください。
石材についてわかりやすく教えてくれるか、価格や値引きの理由を明確に説明してもらえるかなど、見るべきポイントは多々あります。可能なら複数の石材店に相談して、価格やサービス内容をよく比較したうえで、依頼する石材店を決めましょう。
岩崎石材では多種多様なお墓をご用意しております。
まずは希望条件の優先順位を決めてから、納得できるご提案をさせていただきます。
お墓のことでお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。