納骨堂とは?
納骨堂とは、遺骨を納める施設を指します。駅近で利便性の高い納骨堂、寺院の境内に設けられた納骨堂など、その立地はさまざまです。遺骨は施設内に収蔵されるため、天候による影響を心配する必要がありません。
納骨堂の運営主体としては、寺院、自治体、民間企業、社団法人などが挙げられます。運営主体によって利用条件や特徴が異なるため、実際に現地を見学して比較してみるとよいでしょう。
納骨堂の種類として代表的なのは、以下の4つです。
◇位牌型
納骨堂や本堂に専用の棚が設置され、位牌が数多く並べられます。骨壺の保管もされますが、位牌とは別の場所に安置されるケースが一般的です。納骨堂のスペースを広く占有しない分、費用を安く抑えられます。
◇仏壇型
仏壇型の納骨堂には、仏壇の形をした納骨壇が並びます。夫婦用・家族用などさまざまな種類があるので、利用する人数に合わせて大きさを選ぶとよいでしょう。納骨壇は上段と下段に分かれており、上段には本尊や位牌を、下段には遺骨を安置できるようになっています。
◇ロッカー型
ロッカー型の納骨堂には、コインロッカーのような納骨壇が設置されています。遺骨と一緒に本尊や位牌、思い出の品などを納めたいという方は、納骨壇のサイズをよく確認しておきましょう。広さに制限はありますが、費用を安く抑えたい方にはおすすめです。
◇自動搬送型
自動搬送型は近年増加しつつある納骨堂のスタイルで、「マンション型」「ビル型」「機械型」とも呼ばれます。共有の参拝スペースでICカードをかざすと、バックヤードに保管されている骨壺が自動で搬送されるというシステムです。
納骨堂を利用するメリット
納骨堂には数多くのメリットがあるため、若いうちから生前購入をする方も増加傾向にあります。この章では、納骨堂を利用するメリットについて紹介します。
◇費用が安い
納骨堂の種類にもよりますが、基本的には一般墓よりも安価で利用できます。価格重視で決めるなら、位牌型の納骨堂がよいでしょう。なかには毎年の管理料が不要なところもあるので、継続的な費用負担が気になる方はチェックしてみてください。
◇立地の良い納骨堂が多い
納骨堂は駅近であるケースが多いため、気軽にお墓参りを行なえます。交通費の負担や移動する時間を考えると、遠方にある一般墓よりも生活圏内にある納骨堂のほうが、メリットが大きいかもしれません。
◇遺骨の移動がしやすい
一般墓のように墓地や墓石がないため、遺骨を移動する際の負担も少なく済みます。ただし、一定期間を経過すると合祀されるため、改葬を考えている場合は注意が必要です。
◇維持管理の負担がない
一般墓は雨風にさらされるため、墓石の周辺を掃除したり、雑草の手入れをしたりする必要があります。屋内の納骨堂であれば、きれいな状態で管理され続けるため、掃除のために定期的に足を運ぶ必要がありません。また、一定期間を過ぎると合祀されるので、後継者がいない場合でも無縁墓になる心配がありません。
◇屋内なのでお参りがしやすい
屋内の納骨堂であれば、納骨やお参りの際の季節や天候も気になりません。管理が行き届いていて空調も効いているので、快適な状態でお参りができるでしょう。バリアフリー構造の納骨堂も多いため、高齢の方でも安心です。
納骨堂を利用するデメリット
納骨堂のメリットと併せて、デメリットについても理解しておきましょう。
◇一定期間を過ぎると合葬される
納骨堂では使用期間があらかじめ決められていて、その期間を過ぎると合祀墓に埋葬されることが一般的です。合祀を希望しない場合は、使用期間について必ず把握しておきましょう。
期間を過ぎて合祀されてからでは、他の人の遺骨と混ざった状態から、元に戻すことはできません。使用期間の更新は可能ですが、継続の手続きを失念しないよう十分に気を付けましょう。
◇一般墓と同じようなお供えができない
納骨堂の場合でもお供えはできますが、一般墓と同じような形で行なうことはできません。線香やロウソクに火を点けられなかったり、お供え物や生花をお供えできなかったりするなど、納骨堂ならではの制限があることを知っておきましょう。
◇納骨堂内のスペースに限りがある
遺骨は契約した納骨壇に納めることになりますが、スペースの関係上、納められる骨壺の数に限度があります。納骨堂は屋内にあるので、墓石のカロート(納骨室)のように遺骨を土に還すこともできません。
広さが足りない場合は、先祖の遺骨を合祀する、1つの骨壺に遺骨をまとめるなど、何らかの対応が必要です。