「お墓にかかる費用を抑えたい」という方に人気なのが、納骨堂です。墓石を建てる一般的なお墓よりも比較的安価で利用できるため、選択する方が増えています。
しかし、納骨堂にもさまざまなタイプがあるため、どれを選んだら良いのか迷う方が多いかもしれません。
そこで今回は、納骨堂の利用に必要な費用の内訳や、種類別の費用相場、費用を安く抑えるコツを解説します。一時預かりサービスや手元供養、メモリアルローンなど、納骨堂の費用負担が気になる方向けの情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
納骨堂にかかるおもな費用の内訳は、以下のとおりです。
永代供養料は、遺骨を永代にわたって管理してもらうための費用です。お墓を引き継ぐ人がいなくても、永代供養料を支払うことで霊園・寺院に供養を一任できます。
納骨堂の管理費は、施設の維持・管理のために使われます。毎年決まったタイミングで支払うケースや、納骨堂を契約するときにまとめて支払うケースなど、支払い方はさまざまです。後継者への金銭的負担が気になる場合は、契約時に一括で支払える施設のほうが安心できるでしょう。
上記の2つが納骨堂のおもな費用ですが、そのほかにも戒名料(戒名をつける費用)、銘板彫刻料(銘板に名前や享年などを彫刻する費用)、僧侶に支払う法要料・お布施などが必要になります。これらの費用は永代供養料に含まれている場合もあるので、契約時に詳細を確認してみましょう。
納骨堂の種類には、位牌型・仏壇型・ロッカー型・自動搬送型・墓石型の5種類があります。それぞれ費用相場が異なりますので、以下を参考にしながら選ぶとよいでしょう。
位牌型の費用相場は10万円~です。位牌には、戒名や没年月日などが記載されており、故人の魂が宿るといわれています。
位牌型納骨堂の分類として、位牌と遺骨を別の場所に設置するタイプと、同じ場所に保管するタイプの2種類があります。
多くの位牌型納骨堂では、遺骨と別室に位牌を置きます。ほかの故人とまとめて設置されるため、位牌がある部屋の仏像に手を合わせてお参りするのが一般的です。
一方、位牌と遺骨を同じ場所に設置するタイプは、一人ひとりのスペースが確保されているため、個別でのお参りが可能です。ただし、その分費用が割高な傾向にあります。
なおどちらのタイプにせよ、遺骨と一緒に故人の思い出の品を納めるのは、スペースの関係上難しいでしょう。
ロッカー型の費用相場は20万円~です。コインロッカーのような棚に、納骨壇を並べて供養します。棚のなかは遺骨以外に、位牌や思い出の品なども納められます。基本的には、一番上の段や下の段など、お参りのしにくい位置のほうが安価です。また、大きいサイズになるほど高額になりますが、数人分の納骨も可能です。
お参りの方法としては、ロッカーの棚の前でお参りするタイプや、遺骨を取り出してモニュメントの前でお参りするタイプがあります。
仏壇型の費用相場は個人用で30万円~、家族用で100万円~です。納骨堂内に仏壇が並べられていて、個別にお参りできます。上段が仏壇で、下段に遺骨を納める形が一般的です。
仏壇型納骨堂なら、契約した仏壇を家族単位で代々継承できます。スペースが広いため、複数人の遺骨を納められるでしょう。「お墓を子や孫に引き継ぎたい」「室内型のお墓を利用したい」という場合は、仏壇型の納骨堂がおすすめです。
自動搬送型の費用相場は50~100万円程度です。ICカードキーで認証することで、骨壺が自動で運ばれてきます。大型商業施設にある「機械式立体駐車場」のような仕組みをイメージすると、わかりやすいかもしれません。「マンション型」や「ビル型」などとも呼ばれ、都心部に多い傾向があります。
また入館にもICカードキーが必要であるため、関係者以外は立ち入りできません。セキュリティ性が高いのも、自動搬送型のメリットです。
墓石型の費用相場は100~200万円程度です。室内に墓石を設置するため、一般的な墓と同じようにお参りができます。墓石が風雨にさらされないことで、汚れにくくメンテナンスの負担も少ないのが魅力です。「屋内でゆっくり墓石にお参りをしたい」という方には、墓石型納骨堂がおすすめです。
ただし、墓石を建てる分、費用相場は高めとなります。
納骨堂を安く利用したいなら、以下のポイントを押さえておきましょう。
納骨堂の費用は、その地域の土地の価格に左右されます。都心部は、特に土地の価格が高いので、予算に合わない場合は郊外にも目を向けてみましょう。郊外の納骨堂でも、駅近で利便性の高い場所であれば、かえってお参りしやすいかもしれません。
費用をできるだけ抑えたいなら、位牌型やロッカー型の納骨堂を検討してみましょう。位牌型の場合は位牌と遺骨を同じスペースに置く形式を、ロッカー型の場合は下段の安置スペースを選ぶほうが、費用を抑えられるのでおすすめです。
費用重視で供養方法を選ぶなら、個別安置よりも、ほかの人の遺骨と一緒に埋葬する合祀(ごうし)のほうが金額を抑えられます。ただし、一度合祀にすると遺骨を取り出せなくなるため、注意が必要です。
個別安置の納骨堂であっても、基本的には一定期間を経たあとに合祀されます。個別安置期間が長いほど費用もかかるので、金銭的負担が気になる方は個別安置期間が短い納骨堂を選びましょう。
納骨堂は比較的安価ですが、施設によって費用に差があります。時間に余裕があるなら、複数の施設を比較するのがおすすめです。
気になる施設を見つけたら、まずは資料請求をしてみるとよいでしょう。実際に見積もりを出してもらうことで、おおまかな相場も見えてくるはずです。永代供養料・管理費だけでなく、ほかに追加料金がないかも確認してみてください。
納骨堂の費用が十分にない場合にも、諦める必要はありません。お金の工面で困ったときは、以下の方法を検討してみましょう。
納骨堂の費用は、一括での支払いが基本ですが、なかには分割払いが可能な霊園・寺院もあります。まとめての支払いが難しい場合は、分割払いが可能であるか相談してみましょう。
霊園・寺院や、葬儀社、石材店などの多くで、遺骨の一時預かりサービスを提供しています。費用をすぐに用意できない場合のほか、「どの供養方法にするか、家族間で意見がまとまっていない」「自宅での一時的な安置が難しい」といった事情がある方にもおすすめです。
公営の一時預かりは料金が安い反面、申し込み条件が厳しい点や抽選に落ちると利用できない点に注意が必要です。さらに、預け期間中の法要に対応しておらず、遺骨の持ち出しができないケースもあります。預け期間中に法要を行なう可能性がある場合は、民間霊園や寺院墓地などを検討しましょう。
ただし、寺院墓地の場合は、一時預かりを利用する際に入檀を求められるケースがあります。入檀の要否に併せて、宗旨・宗派の条件についても確認が必要です。
一時預かりサービスを利用する際は、預かり期間にくわえて、延長が可能かどうかも確認しておきましょう。基本は1~2年程度の期間設定ですが、手数料を支払うことで延長可能な場合もあります。
また、一時預かり期間中にお参りできるかどうかは、預け先の規程によります。別途料金が発生するケースもあるため、契約前によく確認しておきましょう。
遺骨は、各都道府県で決められた墓地以外へ、勝手に埋葬することはできません。納骨堂やお墓を用意するのが難しい場合は、手元供養がおすすめです。自宅に小さな供養スペースを作って骨壺を置いたり、アクセサリーに加工したりするなど、手元供養にはさまざまな方法があります。
ただし遺骨は湿気に弱いため、保管状況によってはカビが生える恐れがあります。骨壺ごと自宅に置く場合は、高温多湿や直射日光が当たる場所を避けて保管してください。また、菌が繁殖しやすくなるため、素手で遺骨に触れたり骨壺の蓋を開けたりするのも控えましょう。
メモリアルローンとは、お墓や葬儀関連の費用の支払いに使えるローンのことです。カードローンと比べると金利が安いため、お金の工面でお悩みの方は検討してみましょう。
メモリアルローンは保証人や収入証明書が不要で、比較的審査に通りやすいのが特徴です。したがって、カードローンの審査に通らなかった場合でも、メモリアルローンなら利用できる可能性があります。また、低金利で返済期間が10年程度と長いため、毎月の負担額が少なく済むのもメリットです。
ただし、申し込み先を個人で選べるケースは少なく、メモリアルローンに対応した業者を介する必要がある点は注意しましょう。
納骨堂を選ぶときには、契約時に必要な費用だけでなく、管理費をはじめとする継続してかかる費用についても調べておきましょう。
お参りのしやすさや交通アクセスの良さなど、納骨堂に求める条件は人によって異なります。しかし、希望をすべて叶えようとすると、費用が高額になりがちです。お墓に求める条件を洗い出して、優先順位を決めたうえで検討しましょう。
納骨堂の費用の一括払いが難しい場合は、資金に余裕ができるまで遺骨の一時預かりサービスの利用や手元供養が可能です。また、無理のない範囲で分割払いやローンも上手に活用しましょう。
岩崎石材では多種多様なお墓をご用意しております。
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お墓のことでお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。