共同墓地とは?種類や費用相場、永代供養との違いを解説

共同墓地とは?種類や費用相場、永代供養との違いを解説

近年はお墓の種類が増え、そのなかでも「共同墓地」を選択する方も多くなっています。とはいえ共同墓地とはそもそも何なのか、どのような種類があるのか、その形態に詳しくない方も少なくありません。

今回は共同墓地の種類、そしてメリット・デメリットは何かを、一般的なお墓と比較しながら説明します。共同墓地を探す際のチェックポイント、よくあるQ&Aについても詳しく解説していますので、共同墓地に入ろうか迷っている方はぜひ参考にしてください。


■共同墓地には2つの種類がある

共同墓地には、「地域の人々と使用する共同墓地」「合祀型の共同墓地」の2種類があります。前者は古くからあるタイプの墓地ですが、最近は継承者がいなくても入ることができる後者のタイプが増えてきました。

◇(1)地域の人々と一緒に使用する共同墓地

昔からある共同墓地は、地域の人々で共同管理を行なう形の墓地です。別の名称として「村墓地」「集落墓地」などがあります。

こちらの共同墓地を利用できるのは、その地域で暮らしている人々です。多くのお墓が1ヵ所にまとめられ、それぞれが家単位のお墓を建てる形となります。

◇(2)合祀型の共同墓地

もう1つの共同墓地は、ほかの方と一緒に入る合祀型のお墓です。「合祀墓(ごうしぼ)」「合葬墓(がっそうぼ)」「合同墓(ごうどうぼ/ごうどうばか)」のような呼ばれ方もされます。

少子高齢化で跡継ぎに悩まれる方が増えたこと、お墓に対する価値観が変化してきたことから、合祀型のお墓に注目が集まるようになりました。

合祀型の場合は、個別のお墓を建てず、供養塔に多くの方の遺骨を納める形となります。共同墓地の管理者は霊園・寺院などで、民間の場合は永代供養が付いてくるのが一般的です。

本記事では2種類の共同墓地のうち、合祀型のほうについて詳しく説明します。

◇永代供養との違い

永代供養とは、墓地の管理者である霊園・寺院が、遺族に代わってお墓や遺骨の維持管理をすることです。一方の共同墓地(合祀型)は、複数人の遺骨をまとめて埋葬する墓地携帯のことを指します。

共同墓地には、永代供養が含まれているケースが一般的です。そのため、お墓の継承を気にすることなく、お墓参りや掃除などを管理者に任せられます。安心して預けられるお墓の選択肢として、永代供養付きのお墓には注目が集まっています。



■共同墓地の4つのメリット


ここからは合祀型の共同墓地について、メリットを詳しく見ていきましょう。

◇(1)無縁墓・無縁仏の心配がない

跡継ぎがいなくなり、年間管理費が支払われないまま放置されて適切な管理・供養が行なわれないお墓のことを「無縁墓」または「無縁仏」と呼びます。

適切な管理がなされていない無縁墓・無縁仏は、時間の経過とともに雑草が生い茂って荒れ放題となり、最終的には管理者によって強制撤去されます。

共同墓地であれば、このような無縁墓・無縁仏の心配は不要です。霊園や寺院が墓地の管理・供養を行なうため、後継者がいない方でも問題なく利用できます。

◇(2)費用を安く抑えられる

合祀型の共同墓地を利用する場合、個別の墓石を用意する必要がありません。一般的な墓石は種類にもよりますが、50~200万円程度の費用がかかります。

年間管理費についても、共同墓地の場合は必要ないケースが大半です。一般墓より合祀型の共同墓地を利用するほうが、費用を安く抑えられるでしょう。

◇(3)家族以外の人と一緒に入れる

「家族と一緒のお墓に入りたくない」「仲の良い友人と同じお墓に入りたい」「一人きりでお墓に入るのは寂しい」など、お墓に対する考え方はさまざまです。

合祀型の共同墓地なら、自分とつながりが深い方と同じ場所で眠ることができるでしょう。家族や親族などの血縁がある方同士でなくても、共同墓地であれば一緒のお墓に入れます。最近は、仲の良い友人と同じ共同墓地に入ることを決めている方もいるようです。

「家族に負担をかけたくない」「独身で入るお墓がない」という高齢者のために、共同墓地付きの老人ホームも登場しています。これは老人ホームが専用の共同墓地を購入していて、のちに入居者が利用できるという仕組みです。

同じ施設で一緒に過ごした人々と最終的に同じ場所で眠れることが、魅力の一つといえます。

◇(4)宗教・宗派の制約がない

お墓の購入を検討する際には、宗教・宗派の制約について確認が必要です。寺院が管理する共同墓地以外は、基本的に宗教・宗派の制約がありません。そのため、無宗教の方でも多くの共同墓地で受け入れてもらえます。

ただし一部例外の墓地もありますので、利用申し込みの前に念のため詳細を確認しておきましょう。

なお、墓地の利用条件を確認する際に、「宗教不問(宗教自由)」や「宗旨・宗派不問」など、似たような言葉が並んでいることがあります。

・宗教不問(宗教自由):どの宗教を信仰していてもOK
・宗旨・宗派不問:仏教ならどの宗教でもOK ※「在来仏教のみ」など制限に注意

ホームページやチラシで詳細を確認できない場合は、共同墓地の管理者に問い合わせが必要です。


■共同墓地の3つのデメリット


共同墓地を検討している方は、以下のデメリットについて理解しておきましょう。

◇(1)遺骨を取り出せなくなる

共同墓地では一般的に骨壺から遺骨を取り出して合祀するため、一度納骨すると、以降は遺骨を個別に取り出すことができません。したがって、将来的に遺骨を別の場所に移す可能性があるなら、共同墓地を利用するのは控えたほうがよいでしょう。納骨前に慎重な判断が必要です。

共同墓地のなかには、骨壺のまま埋葬できるところもあります。しかしそのような墓地でも、一定期間を過ぎると合祀施設に移される場合が大半です。共同墓地の利用を申し込む前に、供養期間の設定をよく確認しておきましょう。

◇(2)故人とのつながりを感じにくい

お墓参りといえば、墓石の周辺を掃除しながら故人と語り合う、というイメージの方が多いかもしれません。

個別の墓石がない合祀型の共同墓地では、一般墓のようなお墓参りを行なうことができません。お墓の清掃についても、共同墓地の管理者が行なう形となるでしょう。

もちろん、共同墓地だからといってお墓参りができない、供養をしてもらえないというわけではありません。しかし従来型のお墓参りをしたい方、墓石の前で故人とゆっくり向き合いたい方は、共同墓地以外を検討したほうがよいでしょう。

◇(3)個別の法要は行なわれない

共同墓地の場合、基本的には個別の法要は実施されません。お彼岸やお盆の時期に、合同の法要が行なわれます。

年忌法要などを個別で行ないたい場合は、その旨を共同墓地の管理者に伝えて、個別で依頼する必要があるでしょう。「年忌法要を個別で欠かさず行ないたい」「故人を偲ぶ機会として個別の法要を大切にしたい」という方は、個別のお墓を建てるほうが良いかもしれません。


■共同墓地の費用相場

共同墓地の費用相場は、3万円~30万円程度です。前述したとおり、墓石の購入費用が必要ない分、一般墓よりも費用を安く抑えられるでしょう。

ただし墓地の立地や施設の充実度、経営母体によって費用感が異なります。遺骨を骨壺に一定期間保管するタイプの共同墓地の場合、個別の保管期間が長いほど費用が高い傾向にあります。


■【費用を抑えたい方向け】共同墓地以外の供養方法


お墓に関する費用を安く抑えたい方は、共同墓地以外に樹木葬や納骨堂といった選択肢もおすすめです。

◇樹木葬

樹木葬とは、樹木や草花をシンボルとするお墓のことです。永代供養付きであることが多く、お墓の跡継ぎがいない方や、自然のなかで眠りたい方に人気があります。家族など複数人で眠るというよりは、独身の方やご夫婦など、少人数での利用が多い傾向です。

樹木葬は使用するスペースが少ない分、一般的なお墓よりも費用を抑えられます。ただし複数人で利用する場合は、ほかのお墓よりもかえって割高になるケースがあるため注意が必要です。

樹木葬はスタイルが豊富で、里山での埋葬もあれば、公園型(都市型)ガーデニング風などもあります。季節によって樹木や草花の様子も変わるため、可能なら時期を変えて見学してみるとよいでしょう。

おすすめの樹木葬一覧

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◇納骨堂

納骨堂とは、遺骨を納めるスペースを持つ屋内施設のことです。雨風が強い日や、寒さや暑さが厳しい時期でも、屋内で快適にお参りできるでしょう。一時的な遺骨の預け先として、永代供養付きのお墓として、納骨堂はさまざまな目的で利用されています。

納骨堂には位牌型・ロッカー型・仏壇型・自動搬送型・墓石型など、多くの種類があります。位牌型やロッカー型は比較的安価で、位牌型は10万円~、ロッカー型は20万円~利用可能です。

おすすめの納骨堂一覧

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■共同墓地はどのような方におすすめ?

共同墓地には良い点が多くありますが、人によって向き不向きがあります。ここでは共同墓地がおすすめな方と、おすすめしない方の特徴についてまとめました。

◇共同墓地がおすすめな方の特徴

・お墓の費用を抑えたい方
前述したとおり、共同墓地にかかる費用は3万円~30万円程度です。永代供養が付いていれば、お墓の購入費用だけでなく、お墓の管理やお参りにかかる費用も抑えられます。

・お墓の跡継ぎがいない方
お墓の跡継ぎがいなくても、合祀型の共同墓地であれば安心して遺骨を預けられます。自分たちのお墓が無縁墓になる心配もありません。

◇共同墓地をおすすめしない方の特徴

・他人と一緒のお墓に入りたくない方
合祀型の場合、他人の遺骨と一緒に埋葬されます。「知らない人の遺骨と混ぜられたくない」「家族だけで1ヵ所に眠りたい」という方には、共同墓地は向きません。

・自分たちでお墓を管理したい方
一般墓と同じような形式でのお墓参り、お墓の掃除などをしたい方、法要を個別に行ないたい方は、共同墓地以外のお墓を選ぶほうがよいでしょう。


■共同墓地を探す際に確認すべきポイント

 
共同墓地を探す際には、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。ホームページやチラシの情報だけでなく、実際に現地を見学してみることが大切です。

・1人当たりの費用

共同墓地では「1人当たりいくら」という形で費用が発生するケースが大半です。家族や夫婦で利用する予定の方は、全体でいくらかかるのかを必ず確認してください。複数人で利用する場合は、共同墓地ではなく一般墓のほうが費用を抑えられるかもしれません。

・会員費

共同墓地では年間管理費の負担がないケースがほとんどですが、代わりに管理費の支払いを求められるケースがあります。この場合は、何に使用する費用なのかを確認して、納得できた場合のみ支払いましょう。

・お布施

寺院の共同墓地を使用する場合、お布施を求められることがあります。お布施の金額があまりに高すぎる場合は注意が必要です。金額に関してトラブルがないように、お墓の契約前に金額の目安を確認しておきましょう。

・合祀のタイミング

骨壺で納骨するタイプの共同墓地の場合、合祀のタイミングを必ず確認してください。一定期間を経て合祀されたあとは、個別に遺骨を取り出して別のお墓に移すことができません。

・宗教・宗派

宗教・宗派を問わない共同墓地が大半ですが、念のため管理者に確認しておきましょう。キリスト教を信仰する方は、教会の共同墓地をぜひ検討してみてください。

・交通アクセス

どれだけお墓自体が気に入ったとしても、やはり交通アクセスが悪ければ足が遠のいてしまいます。高齢になっても通い続けられるような、公共機関が充実しているところが望ましいでしょう。なお、お墓に入るのが自分だけで、お墓参りをする人がいない場合は、交通アクセスについて気にする必要はありません。

・周辺の環境

共同墓地の近隣に景観の良いスポットがあれば、お墓参りのたびに立ち寄れます。駐車場が併設されていない場合は、近隣のコインパーキングの有無についても確認しましょう。

・設備

ゆっくりと語らえる休憩所があるのか、お線香や供花を買える売店があるのか、といった点をチェックします。管理が行き届いていない、荒れ果てた共同墓地も存在するため、現地での確認が重要です。


■共同墓地に関するよくあるQ&A


ここからは、共同墓地に関するよくある疑問にお答えします。

◇共同墓地は生前でも申し込みできる?

共同墓地は生前申し込みが可能です。霊園・寺院によってキャンセル可能期間やキャンセル時の料金などが異なるため、契約書を入念にチェックしましょう。契約してから亡くなるまでの間、継続して年間管理費がかかる場合もあるため、契約時の確認がとても大切です。

入るお墓が決まっていない状態で亡くなった場合、残された家族の負担が大きくなります。生前にお墓の準備を済ませておくことで、家族だけでなく、お墓に入る本人も安心できるでしょう。

◇ペット用の共同墓地とは?

ペット用の共同墓地とは、複数のペットの遺骨をまとめて埋葬するお墓のことです。「ペットを埋葬できる庭がない」「ほかのペットと一緒に埋葬してあげたい」という場合は、ペット向けの共同墓地が向いているでしょう。

ペット用の個別のお墓を作ることもできますが、個別のスペースを用意する分、費用が多くかかります。合祀型の共同墓地であれば、お墓の購入費用を抑えられるだけでなく、お墓のメンテナンスも含めて霊園・寺院が担ってくれます。

なお、ペット用の共同墓地を利用する際は、遺骨の取り出しができなくなる点に注意が必要です。「引越しのときに遺骨を移したい」「遺骨を取り出して手元供養をしたい」と考える可能性があるなら、合祀型の共同墓地は避けたほうがよいでしょう。

◇共同墓地でも分骨はできる?

分骨とはその名のとおり、「亡くなった方の遺骨を分ける」ことを意味します。分骨のよくある理由としては、以下のとおりです。

・家族や親族で遺骨を別々に保管したい
・共同墓地に遺骨を納め、残りは手元で供養したい
・遺骨の一部をアクセサリーとして身に着けたい
・入りたいお墓が2つ以上ある

分骨自体は法律上問題のない行為ですが、「分骨証明書」や「火葬証明書」の準備など、分骨の手続きが必要になります。また、一部の墓地では分骨が禁じられているため、契約時によく確認しましょう。


■まとめ

合祀型の共同墓地には、跡継ぎがいなくても無縁墓・無縁仏にならない、費用を抑えられるなど数々のメリットがあります。ただし遺骨をあとから取り出せない、一般墓と同じようなお墓参りができないなどのデメリットがあるため、契約前に慎重な検討が必要です。

お墓を用意できない事情がある方でも、共同墓地であれば利用できるかもしれません。生前から申し込みができるため、お墓に関する心配事を子や孫に残したくない方、自分でお墓を選びたい方は、生前契約ができる共同墓地を探すのもよいでしょう。共同墓地の特徴やメリット・デメリットを知ったうえで、自分たちにとって最適なお墓を選びましょう。

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