近年、墓石を建てない供養方法として樹木葬を選ぶ方が増えています。一般墓より安いと聞いても、実際にいくらかかるのかはわかりにくいものです。樹木葬の費用は種類によって幅があり、初期費用のほかに支払いが生じることもあります。
この記事では、樹木葬の費用相場と内訳、契約前に確かめたい注意点、金額を抑える6つのチェックポイントを紹介します。支払いの時期や方法といったよくある疑問にも答えますので、お墓にかかるお金を軽くしたい方は参考にしてください。
樹木葬の種類は、個別型、集合型、合祀型の3種類に分けられます。供養方法がそもそも異なるので、その違いを理解したうえで選ぶようにしましょう。
個別型樹木葬の費用相場は20~150万円程度です。樹木葬のなかでも費用は高めですが、墓石を建てる一般墓(100万円~350万円)と比べると費用負担は少なくすみます。
区画は個人単位、または家族・夫婦単位で使用する形です。シンボルとなる樹木は1つの区画ごとに用意され、好きな樹木を選べる場合もあります。骨壺や骨袋に遺骨を入れて、それぞれ契約した区画に埋葬します。
遺骨を納める区画が分かれているため、個別の安置期間が終わるまでなら、遺骨の取り出しが可能です。ただし、安置期間を過ぎると合祀される場合が多いでしょう。
集合型樹木葬の費用相場は15~60万円程度です。シンボルはほかの契約者との共有ですが、個別のシンボルが用意されている個別型と比べると、費用を安く抑えられます。
骨壺や骨袋に入った遺骨を共有の区画に納めるため、別の場所に改葬する際でも、遺骨をあとから取り出せます。ただし、骨壺や骨袋に入った遺骨の取り出しに応じてもらえない場合もあるため、契約時によく確認しておきましょう。なお、集合型の場合も、一定期間を経ると合祀墓に移されるケースがほとんどです。
集合型の場合、お参りの対象となるシンボルが共有であるため、専用の区画で個別にお参りしたいという方には不向きです。
合祀型樹木葬の費用相場は5~20万円程度です。3つの供養方法のなかでも最も安いため、費用をできるだけ安く抑えたい方に向いています。
合祀型樹木葬の場合、シンボルは共有で、遺骨もほかの契約者と一緒に埋葬されます。費用は安く抑えられますが、埋葬後は遺骨を個別に取り出すことはできません。
合祀型樹木葬を契約する際は、家族や親族とお墓に対する価値観について、よく話し合っておきましょう。
樹木葬を検討しているなら、以下の費用内訳をおさらいしておきましょう。
永代使用料(墓地使用料)とは、土地を使用する料金のことです。個別に区画を利用するのか、複数人で利用するのかなど、樹木葬の種類ごとに必要な費用が変わります。
一般墓の場合は、継承者がお墓の管理・供養を行ないますが、樹木葬の場合は永代供養の形が一般的です。霊園や寺院に遺骨を永代管理してもらうために、永代供養料を支払います。
埋葬料とは、遺骨の埋葬にかかる費用のことです。樹木葬の初期費用に埋葬料が含まれているケースもありますが、納骨のたびに埋葬料が必要なケースもあります。家族や夫婦で利用する予定の場合は、最初の契約時に詳細を確認しておきましょう。
年間管理料とは、霊園・寺院の設備管理や運営に使われる費用のことです。個別型や集合型の場合は、毎年管理料を支払うケースが多いでしょう。永代使用料(墓地使用料)に含まれるケースや、そもそも管理料が不要なケースもあるので、事前の確認が必要です。
樹木葬では、故人の名前を記した銘板や墓誌(石碑)などを設置することがあります。銘板や墓誌を設置しない樹木葬の場合は、彫刻料(銘板料)はかかりません。初期費用に含まれる場合と、オプション費用として追加される場合があるので、契約時に確認しましょう。
樹木葬の費用を安く抑えたいなら、以下の注意点を押さえておきましょう。
霊園・寺院のWebサイト、パンフレットを確認するだけでなく、実際に現地へ足を運んで、施設の雰囲気を確認しておきましょう。費用の安さだけで決めてしまうと、イメージとは違っていた、通うのが意外と大変だったといった不満が出てくるかもしれません。
樹木葬の場合は、季節によって樹木の雰囲気が変わる点にも注意が必要です。希望する樹木の種類があるなら、その樹木の見頃の時期に訪れるとよいでしょう。
複数の霊園を見て回りたいなら、旅行会社が企画する見学ツアーを利用するのもおすすめです。専門ガイドに話を聞きながら、効率的に見学できるでしょう。
同じような規模の樹木葬でも、霊園・寺院によって費用が異なります。気になる霊園・寺院を見つけたら、それぞれに見積もりを出してもらい、費用を比較してみましょう。
立地に関しては、都心よりも郊外や交通アクセスが悪い場所のほうが費用を抑えられます。ただし、通いにくい場所を選んでしまうと、お墓参りが大変になるだけでなく、交通費の負担も大きくなりがちです。実際に通う際の負担も考慮しながら、費用と条件のバランスが良い霊園・寺院を選びましょう。
樹木葬の費用をできるだけ安くしたいなら、以下の6つのポイントを確認しましょう。
樹木葬の運営主体としては、地方自治体が運営する公営霊園、民間企業が運営する民間霊園、寺院が運営する寺院霊園の3種類があります。費用面を重視するなら、公営霊園がおすすめです。
ただし、公営霊園は申し込みが抽選制になっている場合があり、希望する日に必ず利用できるとは限りません。抽選に外れたら、次の機会を待つことになるでしょう。早く納骨を済ませたい方は、民間霊園や寺院霊園も候補に入れて検討してください。
樹木葬の費用は、立地条件によっても大きく変わります。都心の一等地や交通アクセスの良い場所は金額も高めなので、予算に合わない場合は条件を少し緩めてみましょう。郊外の樹木葬は山林に埋葬する里山型がほとんどであるため、都市型と比べると費用を安く抑えられます。
樹木葬では、樹木や草花、プレートなどをシンボルとして遺骨を埋葬します。墓石を建てる必要がないため、一般墓と比べて費用を安く抑えられるわけです。
シンボルの扱い方は種類によって異なり、区画ごとに樹木が用意される個別型は費用が高くなりやすく、ほかの契約者とシンボルを共有する集合型や合祀型は、その分だけ負担が軽くなります。費用をできるだけ抑えたい方は、シンボルを共有するタイプを選ぶとよいでしょう。
どのシンボルのもとで眠りたいかは、供養の満足度にもかかわります。金額だけで決めず、見学の際に実際のシンボルを見て、納得できるかどうかを確かめておきましょう。
樹木葬の場合は、埋葬する人数の分だけ費用が必要です。夫婦単位・家族単位など、埋葬する人数に合わせて区画の広さを選びましょう。
樹木葬の費用を抑えたいなら、ほかの契約者と一緒に埋葬する合祀型樹木葬が適しています。遺骨をあとから取り出したい場合や、のちに改葬する可能性がある場合は、集合型樹木葬を選ぶとよいでしょう。個別の安置期間が短いほど金額は安くなるので、その点も含めた検討が必要です。
樹木葬の契約をする際には、彫刻や銘板(ネームプレート)の費用を確認しておきましょう。文字以外にイラストを追加することも可能です。使用する銘板の素材やサイズ、彫刻する内容によって金額は変動します。
樹木葬は比較的費用が安いお墓ですが、ほかにも多くの選択肢があります。ここでは、納骨堂と永代供養墓について、費用と特徴を紹介します。
納骨堂には複数の種類がありますが、費用を抑えるなら位牌型やロッカー型がおすすめです。位牌型は10万円~、ロッカー型は20万円~利用できます。
ロッカー型の納骨堂なら、遺骨だけでなく位牌や思い出の品も含めて、同じ場所に安置できます。なお、一番上や一番下の棚は安く利用できますが、お参りがしにくい点がデメリットです。
納骨堂の種類については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:
納骨堂の費用とは?種類別の費用相場、金額を安くする方法を解説
永代供養墓のうち、費用を抑えたい方に向いているのは、合祀墓や集合墓です。合祀墓なら5万円~30万円程度、集合墓なら10万円~60万円で利用できます。
安価で利用するなら合祀墓が良いですが、ほかの遺骨と区別ができなくなる点に注意が必要です。合祀型樹木葬と同様に、遺骨をあとから取り出すことができません。集合墓に関しても、一定期間を超えると合祀墓に遺骨が移されるケースが多いでしょう。
永代供養墓には、一般墓と似たスタイルの単独墓もあります。費用や特徴について詳しく知りたい方は、以下の関連記事を併せてご覧ください。
関連記事:
永代供養墓の費用相場と内訳を全解説!墓じまいの料金、支払い方法なども紹介
ここからは、樹木葬の費用についてよくある疑問にお答えします。支払いの時期や方法、生前に契約したときの扱いなど、契約前に整理しておきたい内容をまとめました。
樹木葬の費用は、契約するときに一度に支払う形が一般的です。永代使用料や永代供養料、埋葬料などを初期費用としてまとめて納め、そのあとの支払いは発生しません。
ただし、年間管理料が設定されている霊園・寺院では、1年ごとに管理料を納めます。この場合は契約後も支払いが続くため、長い目で見た負担を考えておく必要があるでしょう。納骨のたびに埋葬料がかかる樹木葬もあり、家族で使う予定であれば、支払いの回数も確認が欠かせません。いつ、いくらを、どのくらいの期間支払うのか、契約前に書面で確かめておくと安心です。
樹木葬の費用は、ローンで支払うこともできます。お墓や葬儀など祭祀にかかわる支払いには、メモリアルローンと呼ばれる専用のローンを利用できるためです。手元の資金が足りないときや、貯蓄を大きく取り崩したくないときの選択肢になるでしょう。
注意したいのは、樹木葬にかかる費用のすべてをローンで賄えるとは限らない点です。年間管理料や法要にかかる費用は、ローンの対象外となる場合があります。利用できるローンの種類は霊園・寺院によっても違うため、案内を受け取ったら中身を読み込んでおきましょう。どこまでが借り入れの範囲に入るのかを、申し込む前に確かめておくと安心です。
樹木葬の支払いは、現金か銀行口座への振り込みが基本です。まとまった金額を動かすことになるため、振り込みで対応する霊園・寺院が多くなっています。
一方で、クレジットカード払いやQRコード決済に対応するところも増えてきました。カード払いを選択できれば、分割での支払いにしたり、ポイントを受け取ったりすることも可能です。使いたい決済方法がある場合は、見積もりの段階で対応しているかどうかを聞いておきましょう。
樹木葬は生前に申し込み、区画を先に押さえておくことが可能です。ただし、支払いの方法は霊園・寺院によって異なり、契約のときに一括で納めるところもあれば、毎月少しずつ積み立てていくところもあります。
生前に契約するなら、納骨までの期間に目を向けましょう。年間管理料が必要な樹木葬では、お墓に入る方が亡くなるまで管理料を払い続けるケースもあります。契約から納骨までが長引くほど支払いは積み上がるため、条件を細かく確かめたうえで申し込んでください。先に決めておけば、家族が急いで墓所を探す負担も減らせます。
お墓や仏壇のように、供養や宗教的な儀式のために用いる財産は、祭祀財産として扱われます。祭祀財産には相続税がかからないため、生前に樹木葬を購入しておけば、その分だけ課税される財産を減らせるのです。これが、生前購入は相続税対策になるといわれる理由になります。
一方、亡くなったあとに遺族が購入した場合、その費用を相続税の計算で差し引くことはできません。同じ樹木葬を選ぶとしても、購入する時期によって残るお金は変わってきます。ただし、税金の面だけで決めてしまうと、肝心の供養が置き去りになりかねません。家族の希望と照らし合わせながら考えましょう。
ペットと一緒に眠れる樹木葬の費用は、一般的な樹木葬と大きく変わらないケースがほとんどです。ペットを受け入れているからといって、必ず割高になるわけではありません。そのため、ペットと眠りたいという希望があっても、予算を大きく組み直さずに済むでしょう。
一方で、ペットと一緒に入れる分、費用を高めに設定している施設もあります。受け入れの条件も施設ごとに違うため、複数の樹木葬を比べたうえで判断しましょう。
また、ペットだけを埋葬する専用の樹木葬を選ぶ方法もあります。人とペットが一緒に入れる樹木葬よりも費用を抑えられる場合が多いため、同じ墓所にこだわらないのであれば、こちらも検討してみてください。
樹木葬の費用は、個別型か集合型か合祀型かで大きく変わります。まずは種類ごとの相場を把握し、永代使用料や埋葬料、年間管理料といった内訳を一つずつ確認することが大切です。
候補が絞れてきたら、現地を見学して見積もりを取り、初期費用だけでなく総額で比べてみてください。支払いの時期や方法、生前に契約する場合の条件まで確かめておくと、あとから慌てずにすみます。費用と納得感の両方を満たす樹木葬を、家族と相談しながら選びましょう。
岩崎石材では樹木葬以外にも納骨堂や一般墓、永代供養墓など多種多様なお墓をご用意しております。
ご希望に合わせたご提案をさせていただきますので、お墓のことでお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。