「お墓の費用を抑えたい」「永代供養付きのお墓を使いたい」という方にとって、納骨堂は良い選択肢といえます。利用者が増えつつある納骨堂ですが、契約後に管理者や家族・親族と揉めるケースも少なくありません。
納骨堂に関するトラブルに巻き込まれないため、どのようなトラブルがあるのかを事前に知っておきましょう。そこで今回は、管理者や家族・親族とのよくあるトラブル事例を解説します。また困ったときの相談先も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、納骨堂の管理者との間で起こりがちな6つのトラブルを紹介します。
納骨堂には、個々の遺骨を安置できる期間が設けられており、その期間が過ぎると合祀墓に埋葬されます。合祀後は遺骨を取り出して改葬することができなくなるため、認識の違いでトラブルになることも少なくありません。
個別安置期間は、利用する納骨堂やプランによって変わります。設定として多いのは三十三回忌ですが、五十回忌まで安置してもらえる納骨堂もあります。反対に5年など短い年数で個別安置が終了する場合もあるため注意が必要です。
契約者はトラブルを避けるため、契約時に個別安置期間の設定をよく確認する必要があるでしょう。
多くの方が思い浮かべるお墓参りといえば、墓石の前で故人に語りかけ、ゆっくりと時間を過ごすスタイルかもしれません。しかし納骨堂の場合、一般墓のようなお参りができない場合もあります。
共有の参拝スペースが設けられている場合は、現地見学の際に、そのスペースの様子も確認しておきましょう。「一般的なお墓と変わらない」「時間をかけてゆっくりお参りできる」と説明されていても、実際はそうではないケースもあります。
お盆など混雑する時期には、お参りする際に待ち時間が発生することもあるでしょう。契約時は空いていても、徐々に契約者が増えていき、ゆっくりお参りができなくなるケースもあるため、その点も理解が必要です。
初期費用のみと説明されていたのに、契約後に追加費用を請求されるケースもあります。契約する際は、初期費用に何が含まれているのか、追加費用が発生する可能性はあるのか、といった点を十分に確認してください。
管理者側にそのような意図はなくても、法要時のお布施などの説明が十分でないケースもよくあります。疑問に思った部分は、契約前に漏れなく聞いておきましょう。
納骨堂の老朽化が進み、契約者に修繕費が請求されるケースもあります。契約時にしっかりと説明がされていなければ、管理者と契約者の間でトラブルになるおそれもあるでしょう。
契約者の修繕費の負担額は、施設ごとに異なります。例えば、修繕にかかる費用を利用者同士で分割するケース、管理者がすべて負担するケース、年間管理料にあらかじめ含まれるケースなどがあります。納骨堂を契約する際は、修繕の方針についての確認も必要です。
地震や火災などの災害によって、建物が倒壊する可能性もゼロではありません。墓石を建てる一般墓の場合も災害による倒壊のリスクはありますが、ビル内にあることが多い納骨堂はより注意が必要です。災害が起きて納骨堂がある建物が倒壊すれば、遺骨も失われる可能性が高いでしょう。
資金繰りの悪化により、経営破綻してしまう納骨堂もあります。運営者を変更して経営が引き継がれる場合もありますが、納骨堂が閉鎖されてしまえば、契約者は新たな納骨先を探さなくてはなりません。
したがって、納骨堂を契約する際は、納骨堂の雰囲気だけでなく、運営元の信頼度についても調べておきましょう。運営者の評判や過去の実績まで調べておくことが重要です。
また、実際に納骨堂を見学する際は、施設のメンテナンスが行き届いているかも確認してください。経営が順調でない場合、修繕すべき箇所が放置されているケースが多いです。
納骨堂を契約したあと、家族や親族と揉めて険悪になるケースもあります。ここでは、家族・親族間でのよくある納骨堂のトラブルを説明します。
自分が入るお墓だからといって、独断でお墓選びを進めるのはよくありません。希望するお墓の種類については、家族と十分に話し合っておくことをおすすめします。
具体的には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
理想のお墓について話し合っておけば、現地を見学する際にも役立ちます。一人の視点だけでは判断しづらいため、家族や親族と一緒に見学するのがおすすめです。納骨堂の契約をする方や初期費用を支払う方だけでなく、関係する方すべての意見をできるだけ聞き、納得してもらってから契約しましょう。
納骨堂には、位牌型、ロッカー型、仏壇型、自動搬送型、墓石型など、多くの種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
種類によって、遺骨の収蔵方法やお墓参りの形式などが大きく異なるため、家族にその特徴を説明しておく必要があるでしょう。
例えば、個別にお参りをしたい方が、「仏壇型や墓石型ならOKだけど、それ以外は抵抗がある」という意見を出す可能性があります。人によって感じ方が変わるため、可能なら一緒に現地を見学しておくとよいでしょう。
納骨堂の種類や費用目安については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:
納骨堂のおもな種類5選|費用目安や選び方のポイントを全解説
近年は、「家族に負担をかけたくない」「自分の思い通りのお墓を契約したい」という理由で、納骨堂を生前契約する方が増えています。しかし、家族や親族に契約内容を伝えないまま亡くなってしまい、せっかく選んだ納骨堂を使ってもらえないケースも見られます。
納骨堂の生前契約をする際は、口頭で家族に伝えるか、エンディングノートなどに書き残しておきましょう。ただし、エンディングノートは見つけてもらえないケースもあるため、注意が必要です。
納骨堂の場合、一般的なお墓とお参りの方法が異なります。施設にもよりますが、お供え物やお花を持参できない、時間をかけてお参りができない場合もあります。
家族や親族に十分に説明しないまま、納骨堂を契約してしまうと、お墓参りに関する不満が出るかもしれません。「故人と対面している気がしない」という理由で、寂しく感じる方もいるため、その点を説明してから契約しましょう。
家族や親族の許可を得ないまま墓じまいを行ない、遺骨を納骨堂に移すパターンも、家族・親族間でよくあるトラブルです。先祖代々のお墓を勝手に撤去するのも問題ですが、遺骨がすでに合祀された場合は、さらに厄介な状況となります。
納骨堂では一定期間が経過したら合祀されるケースが多いですが、一度合祀されるとほかの契約者と遺骨が一緒になるため、遺骨を取り出すことはできなくなります。こういった点についてもしっかり理解をしておく必要があるでしょう。
納骨堂の利用自体には同意を得ていたものの、最終的に合祀される点を家族に説明しておらず、トラブルに発展することもあります。
納骨堂の多くは「永代供養」ですが、「永代」とは「長い年月」を意味する言葉であり、「永遠」に供養をしてもらえるわけではありません。遺骨の個別安置を続けてもらえると思い込んでいたら、いつの間にか合祀されていたというケースもよくあります。納骨堂を契約する際は、合祀の仕組みについて家族や親族に説明しておきましょう。
納骨堂の管理者と揉めてしまい、話し合いでは解決できなかった場合は、以下の相談先を利用しましょう。
電話で相談したい方は、「消費者ホットライン」を利用するのがよいでしょう。3桁の電話番号「188(いやや!)」にかけると、消費生活センター、または消費生活相談窓口につながります。
相手との交渉も含めて一任したいなら、納骨堂関連のトラブルに詳しい弁護士に相談するのもよいでしょう。
ここまで納骨堂のトラブルについて説明してきましたが、納骨堂には以下のようなメリットもあります。
納骨堂のメリット・デメリットや、選ぶ際の注意点などを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:
納骨堂と永代供養の違い、メリット・デメリットとは?納骨堂以外の選択肢も紹介
納骨堂を比較検討する際は、個別安置期間や追加費用の有無、修繕費の扱いなどを管理者に確認しておきましょう。今回紹介したトラブル事例をもとに、聞きたいことをリスト化しておくのも良い方法です。
家族や親族とのトラブルもよくあるため、関係する方との話し合いを十分にしておきましょう。納骨堂の種類や合祀のタイミング、お墓参りの方法など、説明すべき内容はたくさんあります。
契約後のトラブルを避けるため、管理者への確認と家族・親族への相談はしっかりと行なってください。
岩崎石材では多種多様なお墓をご用意しております。
まずは希望条件の優先順位を決めてから、納得できるご提案をさせていただきます。
お墓のことでお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。