自然葬(散骨・樹木葬)とは?墓石を持たない埋葬方法について紹介

自然葬(散骨・樹木葬)とは?墓石を持たない埋葬方法について紹介


人々のお墓に対する考え方が変化するなか、自然の中で眠るという選択は、徐々に身近なものになってきています。日本の伝統的なお墓に代わる方法として注目されているのが、自然に還る「自然葬」です。

自然葬には、散骨や樹木葬といった方法があります。本記事では、それぞれの特徴や違いをわかりやすく解説します。併せて、自然葬に関するよくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


■自然葬(散骨)とは

自然葬の一種である「散骨」は、遺骨を山や海などの自然に還す供養方法です。法律上、遺骨をそのまま埋葬することはできないため、必ず粉末状に細かく砕いたうえで、自然の中に撒きます。

散骨には「海洋散骨」「里山散骨」「空中散骨」「宇宙散骨(宇宙葬)」など、いくつかの種類があります。それぞれの特徴や違いを知っておくことで、故人やご遺族の想いに沿った方法を選びやすくなるでしょう。

◇1.海洋散骨

遺骨を粉末状にして海へ撒くことを「海洋散骨」といいます。多くの場合、海洋散骨の専門業者が船を手配し、陸地から離れた場所で散骨が行なわれます。

船を個別に貸し切るプランや、ほかのご家族と乗船する合同プラン、スタッフに遺骨を預けて代行してもらうプランなど、複数の選択肢があります。

◇2.里山散骨

里山散骨とは、山林に遺骨を撒いて故人を見送る散骨方法です。遺骨を粉末状にしたうえで、散骨が認められている山林に撒きます。山林には所有者がいるため、必ず事前に許可を得る必要があります。

散骨の際にご遺族が立ち会うことも可能です。遠方で参加が難しい場合や、準備から散骨まですべて任せたい場合は、代理で依頼することもできます。

◇3.空中散骨

空中散骨とは、ヘリコプターや小型飛行機に乗って、空から海や山などへと遺骨を撒く方法です。生前に空や飛行機が好きだった方、スカイダイビングを趣味としていた方を中心に選ばれています。

立ち会いを希望される場合は、同乗できる人数に制限がある点に注意が必要です。また、天候によって散骨が延期される場合もあります。

◇4.宇宙散骨(宇宙葬)

宇宙散骨(宇宙葬)とは、遺骨の一部を専用カプセルに納め、ロケットで宇宙へと打ち上げる方法です。宇宙への憧れがある方や特別なかたちで見送られたいと考える方が、生前に申し込むケースもあります。

宇宙散骨のなかには、カプセルに詰めた遺骨を月まで運び、月面で散骨するプランもあります。夜空の月を見上げるだけでお墓参りができる点は、月面散骨ならではの魅力といえるでしょう。

なお、宇宙に打ち上げられる遺骨は数グラム程度ですので、残りの遺骨については別の方法で供養を行なう必要があります。


■自然葬(樹木葬)とは


樹木葬とは、樹木を墓標とする自然葬の一種です。墓石を建てず、樹木や草花のそばに遺骨を埋葬するため、生前に自然が好きだった方に選ばれています。

樹木葬には、自然の山林に埋葬する「里山型」、庭園のように整備された「庭園型」、公園のような雰囲気の「公園型」があります。

「自然に還りたい」という希望がある方には、豊かな自然に埋葬する里山型が人気です。また、庭園型や公園型は設備が充実しているのが特徴で、四季折々の草花を楽しみたい方や緑豊かな霊園が好みの方に向いているでしょう。

なお、樹木葬の埋葬方法は「合祀型」「集合型」「個別型」の3つに分類されます。

  • 合祀型樹木葬:1本の樹木のもとに、複数人の遺骨を埋葬する。
  • 集合型樹木葬:1本の樹木の周囲に区画があり、骨壺や骨袋に入れて埋葬する。
  • 個別型樹木葬:専用の区画が用意され、1本ずつ樹木が用意される。

集合型や個別型の場合、遺骨は個別に埋葬されますが、一定期間を経過すると合祀されるケースが多いため注意が必要です。

それぞれの樹木葬の費用について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事:
樹木葬の費用相場とは?内訳と契約時の注意点、金額を抑える5つのポイントを解説


■【自然葬】散骨と樹木葬の違い

散骨は、粉末状にした遺骨を海や山などの自然に撒く供養方法で、特定の墓標は設けられません。

一方、樹木葬では墓標となる樹木が用意され、その墓標に手を合わせて供養します。また、散骨と異なり、遺骨は地中に埋葬されます。

似た形式として「里山散骨」と「里山型樹木葬」がありますが、手を合わせる対象が明確に存在するかどうかが大きな違いです。将来のお墓参りのしやすさやご家族の希望などを踏まえて、どちらが適しているかを検討するとよいでしょう。

関連記事:
永代供養付きの樹木葬│費用やおすすめな方の特徴、選び方を解説


■自然葬(散骨・樹木葬)に注目が集まっている背景

近年、自然葬が注目されている理由には、少子高齢化や核家族化の進行、生活スタイルの多様化などが挙げられます。

進学や就職を機に地元を離れる人も増え、お墓を継ぐ人がいなくなるケースは決して少なくありません。その結果、将来的にお墓を管理する人がいなくなってしまうのではないか、と心配する声も多く聞かれます。こうした状況を受けて、家単位のお墓を継承する方法から、管理負担の少ない供養方法を選ぶ方が増えてきました。

また、お墓のあり方が変わるなかで「自分の好きな場所で眠りたい」という考え方から自然葬を選ぶ方もいます。生前に親しんだ山や海に遺骨を撒いてもらうなど、自分らしいかたちで見送られたいという意識が高まっているのです。


■自然葬(散骨・樹木葬)に関するQ&A


ここでは、自然葬(散骨・樹木葬)に関するQ&Aをまとめていきます。

◇自然葬は法律違反にはならない?

自然葬そのものは法律違反ではありません。

ただし、遺骨の撒き方や散骨を行なう場所を誤ると、問題になるおそれがあります。特に散骨の場合、遺骨を細かく砕かずに撒いたり、散骨を禁止されている場所で行なったりすることは避けなくてはなりません。

自治体によっては、条例で散骨を禁止しているケースもあるため、事前に確認しておきましょう。安心して散骨を行ないたい場合は、散骨の専門業者に依頼することをおすすめします。

◇散骨は自分たちでもできる?

散骨は専門業者に任せるケースが多いですが、自分たちで行なうことも可能です。ただし散骨のルールや法律について十分理解しておく必要があります。

なお、散骨の前には「粉骨」と呼ばれる工程が必要です。焼骨された遺骨を粉末状にし、2mm以下の大きさになるまで細かく粉砕しなければなりません。遺骨をそのまま散骨すると、死体損壊や遺棄罪に問われるおそれがあるため、注意が必要です。

自分たちで粉骨を行なうのが難しい場合は、粉骨のみ専門業者に依頼することもできます。散骨や粉骨については専門業者に相談し、無理のない方法を選びましょう。

◇散骨後のお墓参りはどうすれば良い?

散骨後のお墓参りについて心配される方もいらっしゃいますが、供養のかたちに特別な決まりはありません。すべての遺骨を散骨した場合は、散骨した場所に向かって手を合わせましょう。墓標の有無ではなく、大切な方を偲ぶ気持ちが大切です。

「散骨をしたいが、お墓参りの対象が欲しい」という方は、遺骨の一部のみを散骨して、残りの遺骨を別のお墓に埋葬してみてはいかがでしょう。永代供養付きのお墓であれば、お墓参りや費用の負担も抑えられます。

そのほか、残りの遺骨を樹木葬や手元供養にする方法もあります。

◇散骨の業者はどうやって選べば良い?

散骨の専門業者を選ぶ際は、まずは業者のWebサイトを確認し、資料請求や問い合わせを行ないましょう。プラン内容と費用を把握し、複数社を比較することが大切です。

このとき、費用の安さだけに注目するのではなく、具体的な散骨方法や立ち会いの可否、相談時の対応なども確認しておきたいポイントです。

粉骨を依頼したい場合は、粉骨サービスの詳細についても確認しておきましょう。粉骨も含めて対応可能な業者なら、遺骨を預けるだけでスムーズに散骨へと進めます。

◇樹木葬でも、お墓参りはできる?

基本的にお墓参りは可能です。

ただし、里山型樹木葬は個別の埋葬場所がわかりにくいケースがあるため、現地見学を行ない実際の雰囲気を確認しておくと安心です。

庭園型・公園型樹木葬の場合は、シンボルとなる樹木にお供えできる場合もありますが、施設によってお供えのルールが異なる点に注意が必要です。自分たちの希望に合ったお墓参りができるかどうか、現地での確認や問い合わせを行なっておきましょう。

◇樹木葬を選ぶときのポイントは?

樹木葬を選ぶ際は、立地の良さや費用の安さだけでなく、埋葬方法や管理体制を細かく確認することが大切です。候補となる樹木葬が複数ある場合は、比較検討したうえで選ぶとよいでしょう。

樹木葬に関しては、シンボルとなる樹木の印象や施設の雰囲気に注目する方も多くいます。イメージ通りであるかは、実際に足を運んで雰囲気を確認しなければわかりません。どのような樹木が使われているかなど、現地見学の際にチェックしておきましょう。

なお、樹木葬の場合、同じ場所に埋葬できる人数が限られている場合があります。夫婦や家族など、複数人で利用する場合は、埋葬可能な人数について確認が必要です。


■まとめ

自然とともに眠れる自然葬は、ますます注目を集めています。自然志向の方だけでなく、お墓の継承に悩む方、将来的なお墓への不安をなくしたい方にもおすすめです。

自然葬に興味を持った方は、散骨と樹木葬のどちらが自分たちの希望に合うかを考えてみましょう。また、散骨や樹木葬以外にも、納骨堂や永代供養墓などの別の選択肢もあります。お墓の情報を十分に集めたうえで、安心して眠れる供養のかたちを見つけてください。

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