墓じまいをしないとどうなる?放置した際の流れとリスクを解説

墓じまいをしないとどうなる?放置した際の流れとリスクを解説


既存のお墓を使い続けるためには、定期的なお墓参りや費用支払いなど、お墓の維持管理が必要です。しかし、事情が変わってお墓を管理できる方がいなくなり、荒れ果ててしまうお墓は少なくありません。

「誰かが先祖のお墓を管理しているだろう」「今はまだ考えなくても大丈夫」と問題を先送りにしていると、先祖代々のお墓を失ってしまうかもしれません。本記事では、墓じまいをしないとどうなるのか、放置した際の流れやリスクについて解説します。

■墓じまいしないとどうなる?放置した場合の流れ

墓じまいをしないままお墓を長期間放置すると、その後どのような流れになるのでしょうか。ここではお墓を放置した際の手続きの流れについて説明します。

◇1.手入れをされなくなり「荒れ墓」となる

お墓を手入れする方がいなくなると、お墓は徐々に荒れ墓となっていきます。雑草が増えて景観が悪くなったり、墓石が破損して通路に倒れたり、周囲に迷惑をかけることになるでしょう。

ただ見た目が悪くなるだけでなく、墓地の管理者や周囲のお墓にも影響が出るのが問題です。荒れ墓によるトラブルを防ぐため、お墓の状態を家族や親族の誰かが、定期的に確認する必要があるでしょう。

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◇2.管理費の支払いを督促される

永代供養付きのお墓でない場合は、管理費が継続して発生するのが一般的です。管理費が支払われていない場合、まずは墓地の管理者から連絡があるでしょう。しかし連絡をしても費用が支払われなかったり、連絡が付かなかったりすると、いずれ滞納分の督促状がお墓の使用者に届きます。

督促状に対処しないままでいると、法的手続きにまで進む可能性が出てきます。次のステップに進む前に、督促の段階で早めに対処する必要があります。

◇3.官報への掲載、立札や貼り紙の設置が同時に行なわれる

管理費の未納が続いた場合、またはお墓の使用者と連絡が取れない場合は、官報に使用者の氏名が掲載されることがあります。官報は、国が発行する公的な刊行物のことです。ここに掲載されると、お墓の費用を支払っていないという事実が、ほかの方にも知られる形となります。

官報への掲載と並行して、荒れ墓となったお墓に立札や貼り紙が設置されます。設置期間は1年間です。立札や貼り紙にはお墓を撤去する旨が記載されています。

家族や親族がお墓参りに来た際、立札や貼り紙を見て、管理費の未払いに気付くケースもあります。お墓を撤去されないためには、告知の期間内(1年間)に墓地の管理者へ連絡を行なわなくてはなりません。

◇4.連絡がない場合、お墓は撤去される

官報への掲載、立札や貼り紙による告知をしても使用者から1年間連絡がない場合、お墓は管理者によって強制的に撤去されます。

墓地の管理者は自治体で改葬許可申請を行ない、申請が認められるとお墓の撤去へと進みます。既存の墓石は取り除かれ、お墓に納められている遺骨は取り出されて、ほかの遺骨とともに合祀されます。ここまで手続きが進むと、墓石を元に戻すことはできません。

■墓じまいを行なうべきかの判断基準


墓じまいをしたほうが良いと理解していても、自分たちでは判断できなかったり、決断しないまま放置したりしがちです。ここでは、墓じまいを行なうべきか悩んだときの判断基準について説明します。

◇お墓の管理・承継問題

お墓の将来を考えるうえで非常に重要なのが、お墓の管理・承継問題です。今の時点ではお墓の管理に問題がなくても、将来的にお墓の跡継ぎがいなくなり、お墓の無縁化のリスクが高まる場合があります。子どもや孫がいたとしても、誰もお墓を継ぎたがらず、お墓を放置されてしまうケースも少なくありません。

なお、お墓の管理や墓じまいに関しては本来、誰がやっても良いものです。「お墓を継ぐのは長男」という決まりはありません。そのため、現在管理している人が動けるうちに、誰がお墓を継ぐのかを決めておきたいところです。

お墓の跡継ぎが決まりそうにない場合は、先祖の遺骨を守るという意味でも、墓じまいを選択するほうがよいでしょう。先祖の遺骨を永代供養付きのお墓に移すことで、その後の供養について心配事がなくなります。

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◇金銭的な問題

お墓に関する費用負担が気になっている場合は、今後の費用を抑えるためにも、墓じまいを検討してみましょう。お墓の管理には定期的にかかる管理費以外にも、墓石が破損した際の修繕費も必要です。また、遠方に住んでいる場合はお墓参りをする際の交通費も必要になるでしょう。

墓じまいや改葬の費用は必要ですが、早めに永代供養墓に移した方が、全体としての費用負担を抑えられる場合があります。現在の負担だけでなく、子どもや孫世代にも費用負担がおよぶことも含めて検討が必要です。

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◇お墓参りの負担

お墓が遠方にある場合や、高齢で体力的に移動が厳しい場合は、お墓参りをするだけでも大変です。とはいえ、お墓参りをしないまま放置すると、管理不足で荒れ墓となってしまいます。

お墓参りができない事情があるなら、お墓参りの代行サービスを利用するのも一つの方法です。ただし、将来的にその土地に戻る可能性がない場合、または身体的に今後もお墓参りが難しい場合は、将来を見据えて早めに墓じまいをしたほうがよいでしょう。

樹木葬や納骨堂など、永代供養付きのお墓へ移すことで、お墓参りができなくても維持管理をその管理者に任せられます。

■墓じまいをしない場合に生じるリスク


墓じまいをしないままお墓を放置すると、以下のようなリスクが発生します。

◇周囲に悪影響をもたらす

管理されていないお墓は、周囲のお墓にも悪影響をおよぼします。墓石が倒壊すると周囲の墓石に被害を与えるだけでなく、参拝者にケガをさせるおそれがあります。

雑草が生い茂ると景観が悪くなるだけでなく、墓地全体が荒廃した印象になるのも問題です。荒れ果てた墓地は治安の悪化が進み、周辺住民の暮らしにも悪影響を与えかねません。

お墓を放置することは、その家だけでなく周囲にもかかわる問題です。トラブルを避けるためにも、定期的にお墓参りをして、掃除や必要な修繕を行なったほうがよいでしょう。

◇社会的信用に影響がおよぶおそれがある

管理費の滞納が続いて官報に氏名が載ると、お墓を適切に管理できない人という印象を与えるおそれがあります。

官報を日常的に閲覧する方は少ないですが、公的な場所で氏名が掲載されている以上、誰かがその氏名を見つけ、社会的信用に影響がおよぶことがあるかもしれません。

たとえ誰かに気付かれていないとしても、公的な記録として残っているという意味で気になる方もいるでしょう。このような状況にならないためにも、官報に載る前に早めの対応が必要です。

◇遺骨が合祀される

お墓の管理を怠ると、最終的に墓石は撤去され、中に納められていた遺骨も取り出されます。遺骨は多くの場合、合祀墓へ移されますが、合祀墓に移された遺骨は元の状態には戻せません。

合祀された遺骨は、知らない方の遺骨と混ぜられ、誰の遺骨であるか判別できなくなります。合祀される前であれば、遺骨を別のお墓に移したり、手元供養をしたりすることも可能です。しかし、いったん合祀されればそのような選択もできなくなります。

なかには、合祀に抵抗感がある方もいるでしょう。取り返しがつかない状況になる前に、墓じまいをするなど必要な対応を行ないましょう。

■墓じまいをすべきか検討している方のよくあるQ&A

遠方にお墓がある方、自分が最後の墓守の場合は、今後どのようにお墓を扱っていくべきか悩みやすいものです。ここでは、墓じまいを検討する際によくある質問と回答について紹介します。

◇遠方に住んでいる場合、墓じまいはしたほうが良い?

お墓が遠方にあるからといって、必ず墓じまいをしなくてはならないわけではありません。例えば、遠方でも定期的にお墓参りができる状況の場合、今後も誰かが管理を十分に続けられる場合は、そのままお墓を持ち続けていてもよいでしょう。

管理できるうちは遠方でも問題はありませんが、将来的に管理が難しくなるようなら、墓じまいの検討が必要です。近年はオンラインで墓じまいを申し込める便利なサービスもあります。スタッフがお墓の状態を確認し、お墓の解体や撤去、遺骨の納骨まで対応するため、現地に行かなくても墓じまいが可能です。

◇自分が最後の墓守である場合はどうする?

自分が最後の墓守であるなら、なるべく早めに墓じまいを済ませておきましょう。墓じまいをしたとしても、永代供養付きのお墓に遺骨を移しておけば、お墓参り自体は行なえます。問題なのは、お墓の現在の使用者がいなくなり、お墓を継ぐ人がいないまま無縁墓となるケースです。

ただし、そのお墓にかかわる方がほかにいる場合は、墓じまいをする前に話を通しておきましょう。家族や親族にお墓の管理について相談することで、跡継ぎになってくれる方が名乗りを上げるケースもあります。

■まとめ

大切な方々の遺骨であるからこそ、既存のお墓を今後どのように扱うべきかが悩ましい問題です。墓じまいをしないとどうなるのか、強制撤去までの具体的な流れを知ることで、先送りできない重要な問題であると気付けるでしょう。

重要なのは、遺骨の合祀など取り返しのつかない状況になる前に、なるべく早めに対処することです。お墓を今のまま残すべきか、家族や親族と話し合いながら決めていきましょう。

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