お墓にかかる税金とは?生前購入の節税効果と注意点7選を解説

お墓にかかる税金とは?生前購入の節税効果と注意点7選を解説

お墓の購入や相続の際に、多くの方が気にするのが税金の話です。具体的に何の税金がかかるのか、詳細が気になる方も多いのではないでしょうか。

お墓を無理なく維持していくためにも、税金のシステムや節税方法を知っておくことは重要です。今回はお墓にかかる税金の種類(消費税、固定資産税、相続税)に加え、生前購入による節税効果とその注意点を解説します。

新しいお墓をいつ購入すべきか悩んでいる方、節税対策で失敗したくない方はぜひご一読ください。


■お墓にかかる税金|消費税

新しくお墓を建てる際には、墓石代や工事費用、年間管理費、消費税がかかります。墓地を寺院や宗教法人が運営している場合は、年間管理費が非課税対象になる例もあります。

なお、お墓を購入する際の「墓地代」には消費税がかかりません。これは、霊園や寺院が販売している墓地を購入しているのではなく、非営利で貸付されている墓地の使用権を得ているためです。


■お墓にかからない税金(1)固定資産税

墓地や墓石を購入する際、原則として固定資産税の支払いは不要です。固定資産税は、固定資産(土地、家屋、償却資産など)にかかる税金ですが、お墓はこの固定資産には含まれません。

お墓を建てる際には、墓地の永代使用権を購入する形となります。そのため「墓地」として登記する場合には、固定資産税はかからないのです。

◇【例外】お墓に固定資産税がかかるケースもある

ただし一部ではありますが、お墓に固定資産税がかかる例外があります。例えば、墓地が適切に管理されず、放置されて荒れ地となった場合です。土地の地目が「墓地」ではなく「雑種地」と見なされた結果、固定資産税が発生するケースがあります。

お墓の管理状況を把握し、墓地と雑種地の判断を行なうのは各自治体です。各自治体の担当者が墓地を訪問し、墓石が清潔に保たれているか、お墓参りの形跡があるかなどをチェックします。


■お墓にかからない税金(2)相続税

お墓や墓地は「祭祀財産」として扱われるため、相続税はかかりません。祭祀財産は、系譜・祭具・墳墓の3つに分けられ、そのなかでもお墓は墳墓に該当します。

・系譜:先祖代々の血縁を記したもの(家系図、絵図など)
・祭具:祭祀用として使われるもの(仏壇、仏像、神棚、位牌など)
・墳墓:お墓関連(墓石、墓地、墓碑、永代使用権など)

一般的な遺産相続において、故人の財産は課税対象となりますが、祭祀財産は原則として非課税となります。「お墓の相続」と聞くと、相続税がかかるイメージを持つかもしれません。しかし祭祀財産であるお墓とそのほかの財産は、区別して考えましょう。


■お墓の生前購入には節税効果がある

 
前述したとおり、祭祀財産であるお墓を相続したとしても相続税はかかりません。この仕組みを有効活用する節税方法が、お墓の生前購入です。

例えば、お墓の購入費用を現金で残しておき、亡くなってから家族がお墓を購入するケースがあります。この場合、残しておいた現金は相続財産の一部と見なされ、課税対象になるでしょう。

一方で、お墓の購入費用を生前に使ってしまえば、祭祀財産であるお墓を継承する形となります。つまり、故人の遺産で新たにお墓を購入するよりも、お墓を生前購入して相続するほうが、結果的に相続税の節税につながるわけです。

◇お墓の生前購入には、節税以外のメリットもある

お墓の生前購入には、節税以外にも多くのメリットがあります。例えば、生前にお墓探しを始めることで、本人の希望に沿ったお墓を選べるでしょう。

お墓には、墓石のあるお墓、洋風のお墓、樹木と一緒に眠れるお墓、ペットと一緒に入れるお墓など、さまざまな種類があります。生前購入であれば本人が現地を見学できるので、納得感のある選択が可能です。

なお、お墓の名義人に負債がある場合は、相続放棄を選択する方が多いでしょう。この場合でも、祭祀財産であるお墓は相続放棄の対象外であるため、問題なく継承できます。


■お墓の税金対策|生前購入の注意点7選