お墓の移動方法、必要な費用を解説!移動手続きの流れを7ステップで紹介

お墓の移動方法、必要な費用を解説!移動手続きの流れを7ステップで紹介

核家族化とともに親戚付き合いが減少するなか、先祖代々で守ってきたお墓の扱いについて悩まれる方は多いでしょう。今あるお墓を管理できなくなったとき、そのまま放置して荒れた状態になるのは避けたいものです。

お墓を気にかける方が一人もいなくなる前に、墓石や遺骨の移動について考えてみてはいかがでしょうか。本記事ではお墓の移動(改葬)について、移動方法の5つのパターン、必要な費用や移動手続きなどを解説します。

■近年、お墓を移動(改葬)する方が増えている

お墓の移動(改葬)を検討する理由には、以下のようなものがあります。

  • 家族や親族が皆、遠方に住んでいる
  • お墓の後継者に誰もなりたがらない
  • 子どもがいないため、お墓を誰にも引き継げない
  • 高齢でお墓参りができない
  • お墓関連の費用を払いたくない

お墓の維持には、少なからず手間や費用がかかります。上記のような理由でお墓を管理できなくなった際は、永代供養付きのお墓に移すなどの対処が必要です。

■そもそもお墓を移動しても良い?

お墓の移動について検討する際、「ご先祖様に対して失礼ではないか」「お墓を移動させないほうが良いのでは?」という声を耳にするかもしれません。しかし、お墓から魂を抜く儀式(閉眼供養)を行ない、墓じまいの正しい手順を踏みさえすれば、お墓の移動自体は問題ないとされます。

お墓を移動させることよりも、管理しないまま長年放置することのほうが問題です。無縁墓となって荒れ果てるよりは、早めにお墓の移動手続きを行ない、きちんとした形で供養するほうが、ご先祖様にも喜ばれるでしょう。

■お墓を移動させる5つの方法

お墓の移動方法には、以下の5つのパターンがあります。

  1. 遺骨と墓石を移動する
    遺骨、墓石を両方とも改葬先へ移す方法です。改葬先を探す際には、既存の墓石に合う区画を探しましょう。墓石の持ち込みができない墓地・霊園もあるため、事前の確認が必須です。
    また、墓石の運搬のために、高額な費用がかかるケースもあるため、注意が必要です。
  2. 遺骨のみ移動する
    遺骨のみを改葬先へ移動させる方法です。既存の墓石は撤去して更地に戻し、改葬先では新たに墓石を建てます。
  3. 複数ある遺骨のうち、一部のみを改葬先へ移動する
    特定の遺骨だけを、別のお墓に移動させる方法です。既存の墓石は、元の墓地に残します。
  4. 遺骨のうち一部のみを移動(分骨)する
    遺骨の一部を分骨して、改葬先に移動させる方法です。既存の墓石はそのまま残し、改葬先に新たな墓石を建てます。
  5. 土葬された遺骨を移動する
    土葬された遺骨が残っているか、土に還っているかによって、改葬の手続きの要否が決まります。

遺骨が残っている場合は、遺骨に付いた土を取り除いてから火葬し、その後改葬先へ埋葬します。墓地・霊園のなかには、土葬された遺骨を受け入れできないところもあるので、事前に確認しておきましょう。

遺骨が土に還っていた場合は、改葬の手続きは必要ありません。

■遺骨を改葬先へ移動させる方法


遺骨を改葬先へ移す際には、以下の3つの方法を検討しましょう。
  • 自分で移動させる
  • ゆうパックで送る
  • 専門業者に依頼する

◇自分で移動させる

遺骨を自家用車・タクシーで運ぶ際は、骨壺を骨箱に納め、骨箱を抱きかかえる形で座席に座りましょう。自家用車を使って一人で運ぶなら、シートベルトで骨箱をしっかりと固定します。

電車やバス、新幹線、飛行機など、公共交通機関を使って運搬することもできます。ただし、遺骨を運んでいることがひと目でわからないよう、周囲への配慮が必要です。風呂敷などで包んだうえでバッグに入れ、骨壺が入っていることがわからない状態にしておきましょう。

飛行機で運ぶ場合、手荷物として持ち込んで頭上の荷物棚に収納するケースや、膝の上に置いて運ぶケースなど、航空会社によって求められる対応が異なります。どのような形で扱われるのか、事前に確認してから搭乗するほうがよいでしょう。

◇ゆうパックで送る

遺骨をゆうパックで送ること自体は、法律違反ではありません。国内であればほかの荷物と同様に、ゆうパックで送ることができます。

ただし、火葬から時間が経っている場合、骨壺の内部に水が溜まっていることがあります。水気が残っているようなら、乾かすか水分を拭き取りましょう。

骨壺を布で包んで段ボール箱に入れ、緩衝材を隙間なく詰めたうえで郵送します。丁寧に扱ってもらえるよう、「こわれもの」「逆さま厳禁」などのシールを貼っておくと安心です。送り状の品名には、「遺骨」と記入しましょう。

◇専門業者に依頼する

自分で遺骨を運べない方、遺骨の郵送に抵抗がある方は、専門業者へ依頼しましょう。自宅や墓地など、指定の場所までスタッフに取りに来てもらえるため大変便利です。

また、遺骨を運ぶだけでなく、改葬手続き、粉骨や散骨、遺骨の洗浄、一時保管などを依頼できる業者もあります。

■お墓の移動にかかる費用の目安

既存のお墓から遺骨を取り出して、新しいお墓に移すまでに、どれだけの費用が必要になるのでしょうか。ここでは、「墓じまいの費用」「遺骨の移動にかかる費用」「移動先のお墓の費用」の3つに分けて説明します。

◇墓じまいの費用

  • 墓石の撤去費用:1平方メートルあたり10~20万円程度
  • 離檀料(※檀家の場合):3~20万円程度
  • 閉眼供養のお布施:2~5万円程度
  • 改葬許可証:0円~1,000円程度

墓石の撤去費用は、お墓の立地によって金額に差が出ます。例えば、お墓が山中にある、道路の幅が狭く重機が侵入できない、といった場合、費用が高額になる可能性があります。

閉眼供養のお布施に関しても、寺院によって金額感が異なります。また、寺院墓地で墓じまいをする際に、高額な離檀料を請求されるケースもあります。無用なトラブルを避けるためにも、お墓を移動させる際は寺院にこれまでの感謝を伝え、離檀をする理由を丁寧に説明しましょう。

◇遺骨の移動にかかる費用

  • ゆうパックで送る場合:1,000円程度~
  • 専門業者に依頼する場合:数千円~10万円程度

遺骨をゆうパックで送る場合、ゆうパックの送料に加えて、段ボールや緩衝材、ガムテープなどの梱包材も必要です。

専門業者に依頼する場合、移動距離やかかる時間によって費用は変動します。近距離なら数千円で済むところ、スタッフの宿泊費や高速料金が必要となると、10万円を超えるケースもあるでしょう。

◇移転先のお墓の費用

  • 一般墓:100万円~500万円程度
  • 樹木葬:5万円~150万円程度
  • 納骨堂:10万円~200万円程度
  • 永代供養墓:5万円~150万円程度
  • 開眼供養のお布施:3~10万円程度

上記のとおり、移転先のお墓の種類によって費用目安は異なります。基本的には、墓石を建てるタイプ、遺骨を個別の区画に埋葬するタイプのお墓のほうが、費用は高額です。

墓石のないお墓でも良い方、費用を抑えたい方は、樹木葬・納骨堂・永代供養墓から、候補を探してみてはいかがでしょうか。


関連記事:

■お墓の移動手続き【全7ステップ】


最後に、お墓の移動手続きの基本的な流れを紹介します。

◇【ステップ1】家族・親族に相談する

お墓を移動させる前に、家族や親族にその旨を伝えて同意を得ておきましょう。既存の墓石を一度撤去してしまうと、もとの状態に戻すことはできません。また、遺骨を合祀型のお墓に入れてしまった場合、遺骨をあとから取り出すことも不可能です。

◇【ステップ2】お墓の管理者に連絡する

お墓を移すことを決めたら、既存のお墓のある霊園・寺院に連絡を入れます。お盆やお彼岸と時期が重なる場合は、なるべく早めに連絡するほうがよいでしょう。移動したい日を伝えたうえで、移動手続きの具体的な内容、必要な費用などを確認します。

◇【ステップ3】移動先を決める

インターネットなどで情報収集を行ない、移動先のお墓を決めます。霊園・寺院の立地、費用、周辺の環境などから、候補を絞り込んでいきましょう。お墓参りをする家族や親族の意見を取り入れたうえで、改葬先を決めることが大切です。

◇【ステップ4】改葬許可申請を行なう

移転前の墓地の管理者から「埋葬証明書」、移転前のお墓がある自治体から「改葬許可申請書」、移転先のお墓の管理者から「受入証明書」を取得します。これらの3つの書類を移転前の自治体に提出し、「改葬許可証」を発行してもらいましょう。

◇【ステップ5】閉眼供養を行なう

古いお墓から遺骨を取り出し、「閉眼供養(魂抜き)」の法要を行ないます。閉眼供養は故人の魂をお墓から抜き、墓石を通常の石に戻すために必要な儀式です。

◇【ステップ6】遺骨を取り出し、お墓の解体・返還をする

閉眼供養を終えたあと、遺骨を取り出して墓石の撤去作業に入ります。墓石を解体したあと、墓地は更地にされ管理者に返還されます。これらの作業は、専門業者(石材店)が担当するのが基本です。

◇【ステップ7】移動先に遺骨を納骨する

「改葬許可証」を新しいお墓の管理者に提出したあと、開眼供養(魂入れ)の儀式を行ないます。開眼供養とは、新しい墓石にご先祖様の魂を移すためのものです。

閉眼供養を行ない、新しいお墓に遺骨を納めれば、お墓の移動手続きは完了です。

■まとめ

お墓を管理できない事情があるなら、お墓の移動を早いうちから検討しましょう。核家族化が進む昨今、管理しやすいお墓へ遺骨を移すのは珍しいことではありません。

今あるお墓の維持が難しくなったときは、永代供養付きのお墓に移す選択もよいでしょう。先祖代々のお墓をこれからどうすべきか、一度家族で話し合ってみてください。

樹木葬、納骨堂、永代供養墓など、お墓には幅広い選択肢があります。お墓の将来について悩まれたときは、お墓に詳しいプロに相談することをおすすめします。

岩崎石材では多種多様なお墓をご用意しております。
まずは希望条件の優先順位を決めてから、納得できるご提案をさせていただきます。
お墓のことでお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

0120-780-656

東京のお墓・霊園・墓地・納骨堂はこちら
千葉のお墓・霊園・墓地・納骨堂はこちら
埼玉のお墓・霊園・墓地・納骨堂はこちら
神奈川のお墓・霊園・墓地・納骨堂はこちら