従来は家単位でお墓を建てて、それを代々受け継ぐ形が多く見られました。しかし近年は、継承者のいらない永代供養付きのお墓を選択する方が増えてきています。
永代供養付きのお墓を申し込む際は、供養の期間、納骨可能な人数など確認すべき点が多々あります。本記事では、永代供養の期間はいつまでなのか、契約前の確認ポイントなどと併せて解説します。
「永代供養」といっても、埋葬した直後の状態が永久に続くというわけではありません。永代供養墓の多くに、一定の安置期間が設定されています。安置期間の設定は、霊園・墓地によってさまざまですが、一般的には「○回忌まで」という区切りが多いです。
個別の納骨スペースが用意されているお墓であっても、安置期間を過ぎると遺骨はほかの方の遺骨と同じ場所に合祀されます。合祀されたあとも供養は行なわれますので、無縁仏となるのを心配する必要はありません。
供養自体は継続して行なわれますが、合祀された時点で遺骨を取り出せなくなるため、分骨や改葬の可能性がある場合は注意が必要です。個別の安置期間が終わるまでに、遺骨の新たな納骨先を決めておく必要があるでしょう。
永代供養墓の種類として、単独墓・集合墓・合祀墓の3つがあります。
個別の墓石を建てるタイプのお墓です。家族・夫婦単位で使用するケースが多く、安置期間を過ぎると合祀されます。
シンボル(墓石・慰霊碑・樹木・花など)をほかの方と共有するタイプのお墓です。別々の納骨スペースがあるため、安置期間を過ぎる前なら遺骨を取り出せます。
ほかの方の遺骨と同じ場所に埋葬するタイプのお墓です。費用を安く抑えたい方に向いています。埋葬すると遺骨は取り出すことはできません。
なお、永代供養付きのお墓として、納骨堂・樹木葬も選択可能です。詳細については以下をご覧ください。
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永代供養には、以下のようなメリットがあります。
先祖代々で継承するお墓の場合、継承者がなかなか決まらず、家族や親族間でもめることがよくあります。特にお墓の近くに住んでいる親族がいない場合、継承者を決めるのに苦労するでしょう。
最初から永代供養付きのお墓を選んでおけば、そのような心配がなくなります。「お墓の管理で子どもを困らせたくない」「子どもはいないがお墓を購入したい」という方には、永代供養付きのお墓がおすすめです。
お墓を管理する方がいなくなり、管理費の滞納が続くと、そのお墓は無縁墓として扱われます。
お墓の縁故者と連絡が取れないとき、霊園・墓地の管理者は官報への記載や立札による公告を行ないます。そして縁故者からの申し出が1年間ない場合、お墓は強制的に撤去され、中の遺骨は合祀されます。
永代供養付きでないお墓を放置すると、「知らないうちにお墓が撤去されていた」「遺骨を取り出すことができない」という事態にもなりかねません。
永代供養付きのお墓であれば、お墓参りをしていなくても継続して供養されるため、無縁墓になる心配は無用です。
一般墓の場合、定期的にお墓参りを行ない、自分たちで掃除や修繕を行なう必要があります。お墓の場所が自宅から近い場合は良いですが、遠方の場合は現地に足を運ぶだけでも大変です。
永代供養付きのお墓であれば、お墓に関する維持管理をすべて霊園・墓地に任せられます。「お墓参りをする時間がない」「体力的に現地に行くのが難しい」という場合は、永代供養の検討がおすすめです。
お墓の種類にもよりますが、永代供養墓のほうが一般墓よりも費用を抑えられるケースが多いです。
一般墓は100万~350万円程度が費用の目安である一方で、永代供養墓(合祀墓)の場合では5万円程度から埋葬できます。