納骨堂と永代供養の違いとは?メリット・デメリットや納骨堂以外のお墓も紹介

納骨堂と永代供養の違いとは?メリット・デメリットや納骨堂以外のお墓も紹介


お墓探しの際には、「納骨堂」「永代供養」など、普段聞き慣れない用語が多数登場するでしょう。「納骨堂と永代供養って何が違うの?」「たくさんお墓があるけどどれを選ぶべき?」などと、迷ってしまうのも無理はありません。

そこで今回は、納骨堂と永代供養のおもな違い、永代供養付き納骨堂のメリット・デメリット、納骨堂を選ぶ際の注意点、よくあるQ&Aについて解説します。納骨堂と永代供養の特徴を正しく理解したうえで、自分たちに必要なお墓を選びましょう。

■納骨堂と永代供養に違いはある?

納骨堂は遺骨を安置する施設であり、お墓の一種です。屋内に納骨スペースがあり、数多くの遺骨を収蔵できます。

一方の永代供養は、家族や親族の代わりに、その墓地の管理者が供養を続けることを指します。

納骨堂は「施設」、永代供養は「供養・管理の形態」を指すものであり、そもそも同列に並べて比較する対象ではありません。

納骨堂には永代供養のサービスが付く場合が多いため、永代供養の一種として紹介されることもあります。しかし、納骨堂であれば必ず永代供養が付くわけではないので、契約する際には条件をよく確認しておきましょう。

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永代供養とは?仕組みや費用、向いている方など契約する際の注意点を解説

■永代供養付きの納骨堂を利用する5つのメリット


永代供養付きの納骨堂には、以下のような5つのメリットがあります。

◇メリット(1)さまざまな種類から選べる

納骨堂には数多くの種類があるので、遺骨の収蔵方法や費用をよく比較してから選びたいところです。

代表的な納骨堂の種類としては、以下の5つがあります。

  • 位牌型:位牌をシンボルとする納骨堂で、比較的安価に契約できる
  • ロッカー型:コインロッカーの形をした扉付きの棚に遺骨を収蔵する
  • 仏壇型:個別の仏壇が用意され、家族で代々承継することができる
  • 自動搬送型:ICカードを使い、遺骨を参拝ブースに搬送する
  • 墓石型:屋内に墓石を建て、一般墓と同じようにお墓参りができる

納骨堂を決める際は実際にその場所に出向き、イメージどおりのお墓であるかを確認したほうがよいでしょう。それぞれの納骨堂の詳しい特徴、費用に関しては、以下の記事を参考にしてください。

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納骨堂のおもな種類5選|費用目安や選び方のポイントを全解説

◇メリット(2)管理を任せられる

大切な遺骨を供養したいと思っていても、事情により管理できないケースもあるでしょう。永代供養の納骨堂なら、お墓の管理や掃除を施設の管理者に任せられます。

「高齢でお墓参りに行けない」「遠方に住んでいる」という場合でも、永代供養付きの納骨堂なら安心して利用できます。

また、納骨堂であれば、定期的にお墓参りをしたり、一般墓のように周囲の草むしりをしたりする必要はありません。

◇メリット(3)費用を抑えられる

永代供養付きの納骨堂のメリットは、墓石を建てる一般墓よりも費用を抑えられる点です。

ただし、施設によって費用は異なるので、予算に合わせて選択しましょう。なお、納骨堂の費用をなるべく抑えたい場合は、以下を参考にしてください。

  • ロッカー型納骨堂の場合、下段の区画を選ぶ
  • 個別安置期間が短い契約を選ぶ
  • 収蔵できる人数の少ない区画を選ぶ
  • 土地代の安い地域を選ぶ

◇メリット(4)屋内でお墓参りがしやすい

屋外にあるお墓は、お参りの際に天候を気にしなくてはなりません。雨や雪の日、寒暖の厳しい時期にお墓参りをするのは、難しい場合もあるでしょう。

屋内施設の納骨堂なら、その日の天候や気温を気にすることなく、快適な状態でお墓参りができます。高齢になってからもお参りができるように、冷暖房完備、バリアフリー対応の納骨堂を選ぶのがおすすめです。

◇メリット(5)通いやすい施設が多い

納骨堂なら、狭いスペースでも相当な数の遺骨を収蔵できます。一般的な墓地や霊園のように、広い土地を必要としません。そのため、駅近で利便性の高い場所に納骨堂が数多く建てられています。

電車やバスで通いやすい場所なら、付近で用事があるときに、気軽にお参りできるでしょう。

■永代供養付きの納骨堂を利用する3つのデメリット


永代供養付きの納骨堂には、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

◇デメリット(1)お墓参りを自由にできない

納骨堂でお参りをする場合、施設ごとのルールにしたがわなくてはなりません。お墓参りができる時間、線香を焚けるか、お花を手向けられるのか、施設によって制限が異なります。共有スペースでお参りする形式の場合、施設内が混雑していて、ゆっくりお参りができない日もあるでしょう。

「好きなタイミングで参拝したい」「遺骨がある場所で手を合わせたい」など希望がある方は、契約前に確認が必要です。

◇デメリット(2)納骨できる人数に限りがある

納骨堂のタイプにもよりますが、複数の遺骨を同じ場所に納骨できない場合があります。一般墓のように、先祖代々の遺骨、家族や親族の遺骨をまとめて収蔵するのには向いていません。

将来的に遺骨が増える可能性がある場合は、納骨できる人数を確認しておきましょう。個人用、夫婦用、家族用などがありますが、納骨する人数が増えるにともない費用も高くなります。

◇デメリット(3)施設の老朽化に注意

建物には寿命があるため、納骨堂の老朽化は避けられません。地震や火災などによって納骨堂が失われ、遺骨を見つけられなくなる可能性もゼロではないでしょう。

建物の修繕が必要になった場合、災害が起きた場合にどうなるのか、対策についても確認しておきたいところです。

■永代供養付きの納骨堂を選ぶ際の注意点

永代供養付きの納骨堂を選択する際は、以下の点に気を付けましょう。

◇家族や親族の意向を確認する

前述したとおり、永代供養には数多くのメリットがあります。しかし、最終的に合祀されることを心情的に受け入れられない方も少なくありません。

「ほかの遺骨と混ざることに抵抗感がある」「墓石を建ててお墓参りをしたい」など、親族の希望を確認しましょう。

そもそも、永代供養の仕組みを詳しく知らない方もいます。後々のトラブルを避けるためにも、合祀されることも含めて説明する必要があるでしょう。一部の方のみで決めるのではなく、関係する方全員に了承してもらうのが望ましいです。

◇個別安置期間を確認する

永代供養付きの納骨堂を契約する際、個別安置はされるのか、個別安置の年数は選択できるのかを確認しましょう。

個別安置期間の設定として多いのは、33回忌のタイミングです。数年で合祀されるケース、50回忌など期間が長いケースもあります。もし改葬する予定であるなら個別安置期間中に行なってください。

「〇年まで納骨したい」のような希望がある方は、納骨堂を検討する段階で相談してみましょう。個別安置期間の延長ができる納骨堂もあるので、併せて確認しておきたいところです。

■納骨堂の費用目安

納骨堂の種類によって、費用相場に大きな差があります。

  • 位牌型:10万円~
  • ロッカー型:20万円~
  • 仏壇型:個人用30万円~、家族用100万円~
  • 自動搬送型:50~100万円程度
  • 墓石型:100~200万円程度

上記のうち、仏壇型や墓石型は家族単位で利用されることがほとんどです。そのため、収蔵可能な人数が多いほど、一人当たりの金額を抑えやすくなる傾向があります。

なお、永代供養付きの納骨堂の場合、年間管理費は不要な場合が一般的です。ただし年間管理費の支払いが必要な納骨堂もあるため、契約時によく確認しましょう。納骨堂の種類や費用を抑える方法、費用が足りない場合の対処法については、以下の記事で詳しく説明しています。

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納骨堂の費用とは?種類別の費用相場、金額を安くする方法を解説

■永代供養付きのお墓は納骨堂以外にも

「屋外のお墓を利用したい」という方は、納骨堂以外のお墓を検討しましょう。ここでは、納骨堂以外の永代供養付きのお墓として「樹木葬」「単独墓」「集合墓」「合祀墓」を紹介します。

◇樹木葬

樹木葬とは、自然にある樹木やお花をシンボルとするお墓のことです。墓石を建てず、シンボル周辺の土の中に遺骨を埋葬します。樹木葬の多くが永代供養付きで、個人や夫婦など少人数で利用するケースが多いでしょう。

樹木葬は、「自然の中で埋葬されたい」という自然志向の方によく選ばれます。自然の里山に埋葬するタイプ(里山型)以外に、芝生や草花で彩られた公園型、ガーデニングのように美しく整備された庭園型など、その種類はさまざまです。

供養方法についても、最初から合祀するタイプ、シンボルや区画を個別で用意するタイプなどがあります。供養方法の詳細や費用内訳に関しては、以下をご覧ください。

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◇単独墓

単独墓は、墓石や樹木を個別に用意するタイプの永代供養墓です。先祖代々受け継ぐお墓と似ていますが、使用する期間があらかじめ決まっています。一定期間を経過後、遺骨は供養塔に合祀されます。

「夫婦や親子で同じお墓に入りたい」「個別のお墓を建てたい」「最終的に合祀されてもかまわない」という場合に、単独墓は適しています。

◇集合墓

集合墓とは、墓石や樹木などのシンボルをほかの契約者と共有し、個別のスペースに遺骨を埋葬するタイプの永代供養墓です。単独墓と同様に、個別安置期間を過ぎると合祀されます。なお、個別の安置期間内であれば遺骨の取り出しも可能です。

「シンボルは共有でも気にならない」「最初から合祀されるのは抵抗がある」という場合は、集合墓がおすすめです。

◇合祀墓

合祀墓では、遺骨を分けず、ほかの契約者と同じ場所に埋葬します。費用目安は5万円~30万円ほどで、永代供養墓やほかのお墓と比べても、かなり費用を抑えられます。

永代供養墓の費用や内訳、費用を抑える方法が気になる方は、以下を参考にしてください。

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永代供養墓の費用相場と内訳を全解説!失敗しない選び方のポイントも紹介

■永代供養付きの納骨堂に関するよくあるQ&A


ここからは、永代供養付きの納骨堂について、よくあるQ&Aを見ていきましょう。

◇納骨堂は生前に予約できる?

納骨堂は亡くなってからの申し込みだけでなく、生前からの予約も可能です。近年は身体が元気なうちに、終活の一環としてお墓の準備を進める方が増えています。

納骨堂を生前予約するのは、以下のようなメリットがあります。

  • 納骨堂に入る本人が、納得できる理想のお墓を選べる
  • 亡くなったあと、家族への負担が少なく済む
  • 納骨堂の費用を先に支払うことで、家族に金銭的な負担をかけない

身寄りがない方が、生前に納骨堂の契約をされる場合も少なくありません。永代供養付きの納骨堂を生前予約しておくことで、自分の亡くなったあとの不安を軽減することができるでしょう。

◇納骨堂を利用する際、宗教・宗派の制限はある?

納骨堂の場合、基本的に宗教は不問とされているため、その施設の宗教・宗派と異なる方や無宗教の方であっても利用は可能です。

ただし「過去の宗教・宗派は問わないが、宗旨替えが必要」「在来仏教のみ受け入れ可能」など、細かな条件が異なる場合もあります。納骨堂の案内に「宗教・宗派不問」と書かれている場合でも、その施設ごとに詳細の確認が必要です。

◇納骨堂にはペットも入れる?

納骨堂にペットも入れるかどうかは、その施設の定めた条件によります。なお、ペットが入れる納骨堂の種類は、おもに以下の2種類です。

  • 人間とペットが一緒に入れる納骨堂
    人間とペットが一緒に入れる納骨堂の場合、人間の遺骨を安置できる分、費用が高額となります。自動搬送型、仏壇型、ロッカー型などがあるため、現地を見学して雰囲気を確認してみるとよいでしょう。「ペットと同じ場所で眠りたい」という方におすすめです。
  • ペット専用の納骨堂
    ペットだけが入れる納骨堂です。個別の棚タイプやロッカータイプ、ペット専用の仏壇を用意するタイプなどさまざまな種類があります。ほかのペットと合祀されるタイプは、比較的安価で契約可能です。

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ペットと入れるお墓はある?樹木葬や永代供養墓、納骨堂など選択肢を紹介

◇納骨堂の法要はどのようなもの?

納骨堂の法要として、合同法要と個別法要があります。

合同法要は年に数回執り行なわれ、納骨堂の利用者が多く集まって、故人をまとめて供養します。永代供養付きの納骨堂の場合、合同法要に参加するかどうかは、ご遺族が自由に決めてかまいません。永代供養の場合、納骨堂の管理者が供養を代わりに行ないますので、遠方で法要に参加できない方でも安心して任せられます。

なお、個別法要を行ないたい場合は、ご遺族の申し出が必要となります。こちらの個別法要も義務ではなく、ご遺族がどうすべきかを自由に決められます。

◇納骨堂の運営元が倒産したらどうなる?

納骨堂の運営元が倒産した場合、その施設を継続して利用できなくなるケースがあります。この場合、納骨堂に収蔵されている遺骨は返還されますが、別の納骨堂やお墓を新たに見つけなくてはなりません。なお、運営元が倒産した場合は、支払った費用が戻ってこないケースも多くあります。

納骨堂の倒産リスクをゼロにするのは難しいですが、トラブルを回避するための対策は行なえます。納骨堂を契約する際は運営元が信頼できるかどうか、情報をよく調べてから契約しましょう。

◇納骨堂の契約は途中でやめられる?

納骨堂の解約自体は可能ですが、永代使用料や永代供養料は返金されないケースがほとんどです。違約金が発生するか、解約する際の条件についても、契約時に確認することが大切です。

なお、別の納骨堂やお墓に移す際には、改葬許可証の交付、埋蔵証明書の発行などが必要となります。自分で遺骨を持ち出して、勝手に移すことはできないため注意が必要です。

■まとめ

納骨堂と永代供養は混同しやすい言葉ですが、施設と供養方法という点で大きな違いがあります。納骨堂は永代供養付きのところが多く、お墓の維持管理を任せたい方、お参りのしやすさや通いやすさを重視したい方におすすめです。

位牌型やロッカー型など、広いスペースを使用しないタイプの納骨堂であれば、お墓にかかる費用をかなり抑えられます。事情があり一般墓を用意するのが難しい場合でも、納骨堂なら無理なく契約できる可能性があります。

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